ジウマ大統領(労働者党・PT)が、連邦最高裁のジョアキン・パルボーザ前長官が辞任した後の新判事にジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ法相(PT)を据えたいと希望していることに対し、民主運動党(PMDB)が異を唱えている。また現行だと、ジウマ大統領の18年の任期切れまでに定年退職する最高裁判事が多いために、後任を任命する同大統領の意のままになることを危惧する声もある。10日付フォーリャ紙などが報じている。
現在、ブラジルメディアの間では、ジウマ大統領の再選で連邦最高裁の判事がPT寄りになることを恐れる向きがある。それは、最高裁判事の規則では、70歳になった時点で判事を引退しなくてはならないためだ。
それに従えば、2015年にはセウソ・デ・メロ判事、16年にはマルコ・アウレーリオ・メロ判事が引退を迎える。そうなると、最高裁判事11人中、ジウマル・メンデス判事を除く10人がルーラ政権(2003年)以降に選出された判事となる。
12年のメンサロン事件の裁判は現職議員をはじめとした有力政治家が処罰された画期的なものとなったが、この時も有罪票を投じた判事はルーラ政権以前に選ばれた判事で、リカルド・レヴァンドウスキー現長官をはじめとするルーラ氏やジウマ氏に選出された判事は、罪状によっては「無罪」の判決を出し、判事投票の接戦を招いた。そして、それら接戦となった判決は、13年の同裁判の再審にジウマ大統領の選んだ2人の判事が加わったことで逆転無罪となっていた。
現在、最高裁判事はバルボーザ前長官の6月の電撃辞任で空白が1人分空いた状態が続いているが、ジウマ大統領はこの座にPT党員のカルドーゾ法相を据えることを望んでいるが、連立与党パートナーのPMDBがこれに猛反対している。
もっともこれは、「最高裁がPT寄り」になることよりも、カルドーゾ法相の下で動く連邦警察が今回の統一選で、エウニシオ・オリヴェイラ氏やロボン・フィーリョ氏といったPMDBの知事候補に対する捜査を行なったことでマイナス・イメージがつき、落選につながったと見ているからだ。
またPMDBは、連警がラヴァ・ジャット作戦に関する詳細を漏らしたことに関しても、連邦政府に対して不満を抱いている。この捜査は結果的にペトロブラスでの贈収賄疑惑にもつながり、レナン・カリェイロス氏、エンリケ・アウヴェス氏といった上院、下院両議長をはじめとしたPMDB党員の疑惑が判明したことにもつながった。
カルドーゾ法相以外の候補としては、連邦総弁護庁(AGU)のルイス・イナシオ・アダムス長官や、以前にも候補になったことがあるサンパウロ総合大学(PSP)法学部教授のエレーノ・トーレス氏やパラナ州連邦大学教授のルイス・ファシン氏などの名前が上がっている。
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