ホーム | 日系社会ニュース | 長野県人会=創立55周年の節目祝う=阿部知事も青年交流を期待=松本ぼんぼんで大盛り上がり
記念撮影する(前列左から)風間議長、阿部知事、高田会長ら
記念撮影する(前列左から)風間議長、阿部知事、高田会長ら

長野県人会=創立55周年の節目祝う=阿部知事も青年交流を期待=松本ぼんぼんで大盛り上がり

 ブラジル長野県人会(高田アルマンド会長)が9日、創立55周年式典をサンパウロ市の愛知県人会館で行なった。阿部守一知事、風間辰一県議会議長ら9人の慶祝団を迎え、約350人が節目を祝った。「日本的教育を受け自分は一世」と自負する高田会長は、「今後も先人たちの熱い気持ちを引き継ぎたい」と思いを新たにし、初来伯した阿部知事も「青年交流で新たな友好関係を築きたい」と意欲を見せた。

会場全体で大きな盛り上がりを見せた「松本ぼんぼん」

会場全体で大きな盛り上がりを見せた「松本ぼんぼん」


 開会あいさつに立った高田会長は、「移民の貢献は日本子孫として誇り。その尽力があったから日本の素晴らしい文化を学び、教育を受けることが出来た。私も1981年に研修生として訪日し母県に恩を感じている」と感謝した。
 初来伯の阿部知事は「県人の取りまとめ役として活動し、会が発展したことは県にとっても誇り。故郷を愛する気持ちの賜物だ」と称え、風間議長は「式典を契機に友好にさらなるご尽力を願う。今日はふるさとを共に語らいましょう」と呼びかけた。
 在聖総領事館の福嶌教輝総領事、安部順二連邦下議らも登壇し祝福の言葉を送った。日系3団体を代表して県連の本橋幹久会長は、「県人移住者は5700人。現在、県人子孫は3万5千人から4万人、県費留学・研修制度(現在は研修のみ)で230人以上を送り出した。47都道府県の中でも上位3県に入る立派な財産」と挨拶した。
 6人の功労者が表彰され、約30年前にリオ支部を設立した鹿田明義さんが「今リオに支部があるのは長野と青森だけ」と誇った。200人を数えた80歳以上の高齢者表彰では、顧問の矢崎逸郎さんが代表して「長野は日本一の長寿国で、在伯県人にも通ずるものがある。今後も青年たちの背中を押し、共に発展しましょう」と述べた。
 2011年度研修生の赤羽カロリーネさん(28、三世)も登壇し「楽しく貴重な経験できた。帰国後も活かすことが出来ている」と謝辞を述べた。相互に記念品を交換し午餐会へ。アトラクションでは日本舞踊やカラオケ、郷土の盆踊り「松本ぼんぼん」で会場全体を巻き込む盛り上がりを見せた。
 式典を終えた阿部知事は「昨日の意見交換会、今日の式典で、母県への熱い思いを感じた。我々も応援しないといけない」と支援を約束した。長野県では現在、県立大学設立を準備しており、「県立大学を通じ日伯の青年交流を活発にしたい。そうした活動に向け交流の下地を築いていきたい」と語った。
 長野県人会は1933年に宮坂国人、矢崎節夫、野村忠三郎氏ら18人が集まった「信友会」が前身。その後59年11月15日に創立総会が開かれ、現在は全伯に16支部が存在する。県人と縁が深いアリアンサ移住地からも、翌日に入植90周年式典を控える中、第一ア文協の望月友三会長はじめ17人が訪れた。