電力供供給の機軸となる水力発電所のダムの水位低下が続く中、電力取引会議所(CCEE)が、電力需要が高まる1月は9241メガワット(MW)の電力不足が起き、水力発電と火力発電の量を増やす必要があると発表したと11日付エスタード紙が報じた。
電力需要が増える1月に9241MWの電力が不足との予想は、サトウキビの収穫が端境期に入る事と北東伯の風が弱まる事でバイオマスと風力による発電量が減る事に起因している。
バイオマス発電は月平均3千MW以上の電力を供給していたが、1月の供給量は400MWに低下する見込みだ。風力発電も、需用全体の4%相当の電力を供給していたが、1月の発電量は半減し、1千MW程度になると見られている。
この夏はエアコンや扇風機が飛ぶように売れた後で、電力消費量が増えるのは必至だ。バイオマス発電や風力発電が減る分と電力消費増加分は、水力と火力による発電を増量させる必要がある。
だがここで懸念されるのが、昨年から今年にかけての少雨だ。電力需要も多い南東/中西部の水力発電所のダム貯水量は11月に入ってから1・3%ポイント落ち、17・4%になっている。
南東/中西部の貯水量低下は、11月第2週の水力発電量が2万MWを超え、前週までの平均より1千MW増えた事にも起因している。南部の水力発電量も1万3千MWに増え、水力発電の比率は61%に上昇した。
火力発電所は総計2万2千MWの発電能力を持つが、保守その他の問題で、実際の発電量は1万7千MW程度だ。全国電力システム運営機構によると、10月6日~11月6日の火力発電量は、需要全体の21・35~25・35%だった。
夏は暑さで水の需要が増す上、水力発電所の発電量が増えれば貯水量の低下は加速するため、10%を割るダムも出ている南東/中西部中心に、1、2月の降雨への期待がいや増している。
一方、リオ連邦大学のナバウデ・カストロ教授は、積極的な節電キャンペーンを行うよう提言。1月以降の電気料金は発電経費が消費者に転嫁されるようになるから、消費者にも節電意識が芽生えると期待している。
なお、10月31日に行われた電力供給に関する入札では、太陽光発電で、政府が定めた上限額を17・9%下回る平均215・12レアル/MW時で1048MWの契約が成立。政府は23年までに3500MWの契約成立を目指している。
バイア州で風力発電を行っているレノヴァ・エネルジアは、106・9MWの太陽光発電も手がける事になった。
風力発電の入札では、平均142・34レアル/MW時で769・1MWの契約が成立した。