第8回ブラジル保安フォーラム(FBSP)で公表されたデータによると、ブラジルの警察は09年~13年の5年間で1日平均6人以上、総計1万1197人を殺しており、米国警察が過去30年で記録した1万1090人を上回ると11日付伯字各紙が発表した。
13年の警官による死者は計2212人。死者発生率が最も高いのはリオ州の人口10万人当たり2・5人(計416人)で、バイーア州2・1人、パラー州1・9人、サンパウロ州1・5人(計635人)と続く。リオ州での死者は、09年の1048人から416人に減っている。
FBSP運営責任者のサミーラ・ブエノ氏は、リオ州での死者減少が一番のニュースとし、「軍警治安維持部隊の設置以来、リオ州での死者は大きく減った。これが唯一のポジティブなニュースだ。警官が1日当たり6人を殺すというのは多すぎる」と述べた。
サンパウロ総合大学暴力研究センターのブルーノ・パエス・マンソ氏は、警察との抗争で死者が出る要因の一つは市警よりも攻撃的になりがちな軍警の持つ不信感だとし、「市警、軍警の相互補完、任務の分担がうまくいっている国ならこんなことは起こりえない。軍警は『市警は犯人を捕まえない』から自分達の手で鉄槌を下すべきだと思っている」と述べた。
元軍警大佐で治安関係のコンサルタントのジョゼ・ヴィセンテ・ダ・S・フィーリョ氏は、警察に殺された人の数は銃撃戦などによる警察官の死亡件数と相関性があるとし、「ブラジルは世界でも一番多く警察官が殉職する国で、警察を責めるのは不合理だ。武装した犯罪者が反撃してくるケースは増える一方なのだから」と結んだ。13年には490人の警察官が亡くなっており、12年より43人増えた。
世界中で起きた殺人事件の11%がブラジルで起きており、昨年ブラジルで起きた暴力事件の被害総額は国内総生産(GDP)の5・4%に当たる2580億レアルに達した。暴力はどの階級の人にとっても高くつく。