ホーム | 日系社会ニュース | 日本人理想郷の夢実現へ=第1アリアンサ90周年式典=約200人が節目祝う=弓場バレエ団が記念公演
高齢表彰者(舞台手前)と来賓参加者
高齢表彰者(舞台手前)と来賓参加者

日本人理想郷の夢実現へ=第1アリアンサ90周年式典=約200人が節目祝う=弓場バレエ団が記念公演

 1924年に信濃海外協会や日本力行会によって創設されたノロエステ線ミランドポリス市の第一アリアンサ移住地(通称長野村)が90周年を迎えた。10日に、第一アリアンサ文化体育協会(望月友三会長)による「入植90周年記念式典」が同会館で開催され、約200人が節目の年を祝った。母県からは県文化部国際課の土屋孝夫係長が、サンパウロ市からは福嶌教輝在聖総領事らが参加した。

華やかな弓場バレエ団記念公演の様子

華やかな弓場バレエ団記念公演の様子


 午後1時、式典に先立ってミサが執り行われ、先没者へ黙祷が捧げられた。日伯両国歌斉唱の後、望月会長が開会挨拶で、「日本人の理想郷を作る先人の夢は実現できたでしょうか? 現在のアリアンサを見るにつけ、私は実現されていると思うのです」と熱く語った。
 「日本と同様、少子高齢化によってアリアンサの日系人口は減少を続けているが、移住地発展のため、今まで以上に皆で頑張っていこうではありませんか」と呼びかけると、会場からは共感の拍手が挙がった。
 続いて阿部守一長野県知事、小泉知定日本力行会理事長からの祝辞が代読披露された。来賓祝辞には長野県人会の佐藤満理事、ブラジル力行会の岡崎祐三会長、ノロエステ日伯連合会の白石一資会長、全アリアンサ文化協会の佐藤勲会長、関谷ロベルト市議(市長代理)らが立った。
 福嶌総領事は昨年のノロエステ地方訪問の思い出を振り返って「今年もアリアンサに来ることが出来て良かった」との喜びを語り、日伯外交120周年、リオ五輪と日本からの関心が集まるこの時期に「ノロエステの素晴らしさを日本に伝えたい」と話した。
 第一アリアンサ文化体育協会と長野県で記念品の交換が行われ、75歳以上の高齢者51人が表彰され、出席者一人ひとりに記念品が贈呈された。最年長の新津英三さん(99、長野)が謝辞を述べ、「アリアンサが10周年の時に移住してきました。この90周年は、私の80年でもあります」としっかりとした口調で挨拶した。
 第一アリアンサ日本語学校の生徒8人による学芸発表が行われ、アリアンサの歴史や授業風景が発表された。釜野イゴル(16、四世)、竹原利枝(14、同)さんは「勉強の成果が発揮できた」と喜んだ。
 午後3時、記念ケーキカットが行われ、新津さんの乾杯の音頭で式典は親睦会に。今年69歳の佐藤満理事は、23歳で第二アリアンサを出た。親睦会では旧友との再会を果たし「旧交を温められた。参加して良かった」と笑顔を見せた。
 午後6時には弓場バレエ団が同農場で、記念公演として独自のヨサコイソーランや「輝かしき開拓者」など5演目を上演した。