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法学部卒業者、初の減少=実務系講座の人気高まる

 2012年から2013年にかけての大卒者数の減少は、最も多くの学生を抱える法学部と経営学部にまで影響を及ぼしたと13日付フォーリャ紙が報じた。
 法学部卒業生は前年比マイナス3%で、全学部の平均減少率の5・65%を下回っているが、同学部で卒業生が減少したのは過去10年で初めてだ。
 経営学部の卒業生の減少はここ数年続いていたが、13年の減少率は従来の下げ幅を大きく上回った。2011年から12年にかけての減少は993人、マイナス0・88%だが、12年から13年は1万3199人で11・86%減った。
 経営学が専門のサムエル・メロ・ジュニオール博士は、大卒者減少の一番の理由は、学部を選ぶ際、学生たちが、平均2年と短時間で終了し、就職に有利な技術・実務系講座(専門学校)を選ぶようになったことだとし、「技術や実務系の業種は人材を求めており、労働市場でも多くの引き合いがある」と述べた。同氏は学生団体の就職相談室の責任者でもある。
 例えば、人材管理の学科は4年前、1万6700人の卒業生を送り出したが、昨年は2万6300人に増えた。
 同氏は「このことは決して悪いことではないが、実務系の講座の卒業者と大学卒業者は違う。法学部や経営学部の卒業者減少は、就職の際に不利になるからではない。いまでも経営学士には多くの引き合いがある」と続けた。
 教育省の見解では、大卒者の全体的な減少は、連邦政府が学部の監査・監督制度を導入したことで、学部の質が悪いとされれば学生募集停止措置なども取られるようになった結果としている。
 医学部卒業者は毎年増えているが、その伸び率も低下した。11年の卒業生が1万4634人、12年が1万6354人なのに対し、13年は1万6495人だった。
 連邦医師協議会副会長のマウロ・リベイロ氏は「医者の数が多ければ問題が解決するわけではない。昔の医学生はもっと多かった」と語る。
 同協議会では地域ごとの医師の数にばらつきがあるという問題は、国レベルの登録、配置システムを作ることで解決されると考えている。