連邦警察が14日、ラヴァ・ジャット作戦第7弾を実行に移し、ペトロブラス(PB)を巡る一連の疑惑「ペトロロン」に関与したとされる、ペトロブラス元サービス部長のレナト・ドゥケ氏や関係企業の幹部らを逮捕した。この逮捕劇により、ペトロブラスの立場はさらに苦しいものとなった。14日付伯字紙サイトなどが報じている。
今年3月から開始されたラヴァ・ジャット作戦は、14日で7度目の発動となった。この作戦は全国規模でのマネーロンダリング疑惑に関したものとされていたが、今回は、「ペトロロン」で摘発された証拠や容疑者らの証言でより明確になったカルテルや公団職員に対する贈収賄の容疑での逮捕劇が展開された。
6人の予防拘禁、21人の一時逮捕、9人の事情聴取、49カ所での家宅捜索や物品押収の命令は、連警警察官300人が会計局職員50人の応援も得て実行に移された。パラナ州、サンパウロ州、リオ州、ミナス・ジェライス州、ペルナンブッコ州、連邦直轄区での捜査対象となった企業は11社で、同日午前は、カマルゴ・コレア、オデブレヒト、OAS、UPC、エンジェヴィックス、イエザ、ケイロス・ガルヴォン、ガルヴォン・エンジェニャリア、メンデス・ジュニオールの9社職員らが逮捕された。
14日午前11時の発表によると、同日朝の逮捕者は予備拘禁と一時逮捕をあわせて18人で、PB元サービス部部長のレナト・ドゥケ氏も、リオ市バラ・ダ・チジュッカにある自宅で逮捕された。同氏の名前は、PBの元供給部長でラヴァ・ジャット作戦の主要容疑者の一人であるパウロ・コスタ容疑者の供述などで言及され、疑惑の人物として捜査線上に何度も浮上していた。
ドゥケ氏は2004年にサービス部長に就任、12年までその座をつとめたが、同氏を同職に推薦したのは、当時の官房長官でメンサロン事件の仕掛け人的存在として実刑判決を受けたジョゼ・ジルセウ氏(労働者党・PT)だ。
企業関係者では、メンデス・ジュニオールのセルジオ・クーニャ・メンデス副社長はじめ、イエザのガス石油部部長などが既に逮捕されている。
奇しくもこの前日の13日夜、PBは第3四半期の決算報告の延期を発表したばかりだった。それは監査を担当するイギリス企業プライスウォーターハウス・クーパーズが、ラヴァ・ジャット作戦で明らかになったPB疑惑に関して強い拒否反応を示したためだ。同社は、疑惑の人物の1人であるトランスペトロのセルジオ・マシャド総裁の解任などを監査継続の条件にしていたが、現在は贈収賄疑惑に関する内部調査が終るまでは書類に署名しない意向だ。
監査報告の遅れによって、Bovespa(サンパウロ証券取引所)でのPB株価は14日午前中に5%近く下落した。ラヴァ・ジャット作戦に絡む証言が事実だと判明した場合の影響は更に甚大なものとなりそうだ。
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