沖縄県人会(田場ジョルジ会長)主催の「第10回ウチナー芝居」が9日午後1時、同会館で開催された。ビラ・カロン支部うちなーぐち研究会をはじめ、琉球舞踊協会、斉藤悟琉舞道場などが参加し、方言による舞踏劇、踊り、歌三線など31演目を披露し、約千人の観客を楽しませた。
今回注目を集めたのは、同研究会所属の18人が約30分間の熱演でみせた人情喜劇『丘の一本松』。頑固な父親と反発する子どもの葛藤を描いた作品で、沖縄特有の家族愛や教育観が上手く描かれていると県民に広く親しまれている。
同研究会で方言の指導をしている高安宏治さん(66、沖縄)は、「うちなーぐちの敬語表現は、沖縄でも使われなくなっている。芝居の台詞を通して覚えてもらい、次の世代に文化を繋げたい」とイベントへの参加理由を語った。
来場者の竹田秀子さん(77、沖縄)は、「主人公は北谷の方言、オバアは本部の方言を使っていて、とてもよく出来ていました」と笑顔。最近うちなーぐちの教室に通い始めたという伊芸クリスチーナさん(三世、45)は、「私も、もっとうちなーぐちが上手になったら出演したい」と話した。
午後8時、参加者全員でカチャーシーを踊り、閉幕。沖縄県人会の島袋栄喜副会長は、「うちなんちゅの心は、うちなーぐちでないと表せない部分がある。母県でも方言を見直す動きがあり、教育機関でも教えるようになった。これからも芝居会を続け、継承に努めたい」と次回開催への意欲を語った。