ブラジルを代表する世界的大イベント、「ロック・イン・リオ」が来年9月に2年ぶりに開催されるが、開催10カ月前の18日に発売された先行チケット10万枚分は、わずか100分で売り切れた。
ロック・イン・リオの名は、軍事政権末期の1985年1月に述べ100万人を動員したことで世界的に有名になり、以後、由緒あるロック・フェスティバルとして高い知名度を誇っている。同フェスはそれ以後、91年、01年に開催され、スペイン版、ポルトガル版と拡大した。本家本元のリオでは、2011年以降、隔年で開催されている。
11年以降は9月3週目の金~日、4週目の木~日の計7日間開催されるロック・イン・リオだが、その発売方法はかなりユニークだ。このフェスは行きたい人が殺到することもあり、事前の出演者をほとんど教えずに発売を開始するのだ。
しかし、それでは、自分の行きたい日に誰が出演するのかわからない。そこで考案されたのが「ロック・イン・リオ・カード」だ。このカードを買っておけば、後で出演ラインナップが判明した後に、どの日に行きたいかを決めることができる。このカードの購入は、納税者番号(CPF)1人あたり4枚買える。今回、先行発売されたのは、このカードのことだ。
このカードの値段は1枚320レアル(約1万3~4千円)で、決して安くはない。今回の発売も、事前に出演すると発表された出演者はたったの3組だ。にもかかわらず、このカードはわずか100分で全て売り切れた。13年のときも同様の発売法を行ない、そのときは8万枚が52分で売り切れて話題となったが、今回は2万枚増え、さらに公式サイトの回線パンクのトラブルがあったにもかかわらず、その速さだった。
ラインナップの具体的発表は年を越してからだが、残り50万枚ほどとなっている残りのチケットも、例年、ほぼ1日で「残席わずか」の状態になる。
それにしても出演者がわからない状況でこの売れ具合というのはなんともカリオカ(リオっ子)らしい。サンパウロでは毎年3月に同じく国際的ロック・フェスティバル、ロラパルーザが開催され、こちらも出演者発表を行なう前にチケット発売を最安値で開始するが、それでも例年、その段階ではあまり売れず、出演者発表直後も「今年の出演者は良くない」とさんざん文句を言う。だが、いざ本番当日近くになると売り切れる、という状態を続けている。
そんなパウリスタたちはロック・イン・リオの出演者も「ポップ・イン・リオ」(ロックと呼ぶには軟弱だ、の意味)と呼んで、対抗意識と共にからかう傾向が強い。有名人志向が強くお祭り気分を好むリオと、皮肉っぽくこだわり派のサンパウロの気質の違いでもある。(18日付G1サイトより)
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