【既報関連】14日に連邦警察が実行したラヴァ・ジャット(LJ)作戦第7弾ではペトロブラス(PB)元理事や大手企業幹部らが逮捕されたが、その背景にはトーヨー・セタル・エンジニャリア幹部役員の報奨付き供述が重要な役割を果たしたという。
トーヨー・セタル(TS)は日本の東洋エンジニアリングとブラジルの大手エンジニアリング会社SOG(セタール・オレオ・エ・ガス)が2012年に設立した合弁会社TSパーティシパソンエス社の100%子会社。東洋エンジニアリングのサイトでは「陸上設備のEPC(設計・調達・工事)を行うトーヨーセタール・エンジニアリア社」と「海洋設備に係るEPCを行うエスタレイロス・ド・ブラジル社(EBR)」が12年6月から活動開始とある。
TSは現在、PBとの間で、リオ州総合コンビナート関連で11億レアル、ミナス州ウベラバの肥料会社関連で20億9千万レアルの大型契約を結び、工事その他を担当している。また、EBRは石油採掘用のプラットフォームP‐74関連で18億5千万レアルの大型契約を結んでいる。
ところが、そのTS、EBR両社がLJで摘発され、幹部役員らが10月末から報奨付き供述を始めた。TSのジュリオ・カマルゴ氏が報奨付き供述を始めたのは、LJ第1弾で逮捕されたパウロ・コスタPB元供給部長の自宅から押収された書類にTSの社名と同氏の名前、「今年3月から参加」とのメモがあった事や、コスタ氏と闇ブローカーのアルベルト・ユセフ氏が行った報奨付き供述で贈収賄に関わった企業や政治家の名前が明らかになり、連警の捜査や告発が不可避となったためだ。
カマルゴ氏はTSも入札前に担当する事業や金額などを示し合わせる談合に加わっていた事を認め、報奨付き供述に応じた初の企業関係者で、TSも捜査への協力を決めた。同種の供述はPBとの契約継続や懲罰軽減化を狙ったもので、EBR経営審議会メンバーのアウグスト・リベイロ・デ・メンドンサ・ネット氏も供述に応じた。
カマルゴ氏らは連警などに、PB元サービス部長レナト・ドゥケ氏に5~6千万レアルを払った事、贈収賄には大手建設会社ら9社が関わり、賄賂の一部は労働者党(PT)や民主運動党(PMDB)などに流れた事などを明らかにした。報奨付きの情報提供者は8~9人おり、ドゥケ氏の元右腕のPB元役員も加わるが、提供者らも罰金は免れない。
TSが報奨付き供述を行った事で、PBは契約継続か新規契約を結ぶかといった選択も迫られているが、LVは既に工事や決算報告承認の遅れ、融資停滞など、PBに甚大な影響を与えている。
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