「脚が震えていたよ。絶対に外すわけにはいかなかった」と、ペレは45年前のヴァスコ戦、マラカナンスタジアムで決めたPK直前の瞬間を振り返った。
当時は国中が王様ペレの1千得点達成の瞬間を待ちわびていた。ボールに向かって走り、かの有名なキック直前に急停止するというフェイントからの歴史的ゴールを決める前、ペレは腰に手をあて主審の笛を待っていた。肩で顔の汗をぬぐい、一旦ゴールに背を向けた。仲間に目をやり、ゴールに振り向き正確なシュート。こうして通算1千得点の偉業は達成された。
今年の11月19日はあれからちょうど45年。この日を思い出すために44人の元選手(味方だった選手も、対戦相手だった選手もいる)にペレのゴールの中で最も美しかったものを挙げてもらった。8人が挙げたのが1958年、ワールドカップ決勝のスウェーデン戦であげた、ボールがセンターバックの頭上を越えて敵をかわして決めた得点だった。
翌年のジュヴェントス戦で決めた、3回連続で敵の頭上をボールが超えるプレーでかわして決めた得点は、ペレ本人も含む5人があげた。
ペレは現役13年目の29歳にして1千得点を成し遂げた。1千点目のPKはヴァスコ戦後半33分、1対1の同点の時に、自身がペナルティーエリア内でファールを受けて獲得したものだ。ファールを取られたフェルナンドは、45年たった今でもあれはファールじゃなかったと主張する。「ペレが俺の脚を蹴って自分で倒れたんだ。『記念のゴールをマラカナンで』って仕組まれてたね」。
キーパーのアンドラーダも未だに「ボールが指にかすったよ。もう少しで止められたのに」と悔しがる。
チームメイトだったアギナルドは当時の瞬間を振り返る。得点の後ペレを肩車した彼は、「1千点取ったら、担いでマラカナンを一周したかったんだ。最高の気分だったよ」と語った。(19日付、エスタード紙より)
千得点達成
本人の選ぶベストゴール(合成映像)