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ラヴァ・ジャット=企業は犯罪者か被害者か=重要容疑者の逮捕期間延長=バイアーノ容疑者は出頭=贈賄の影に恐喝の存在も

 【既報関連】14日に発動した第7回ラヴァ・ジャット作戦で逮捕された容疑者23人中、一時逮捕の拘束期間が切れた11人が18日に釈放されたが、カマルゴ・コレアの役員はじめ、大企業の重要人物の拘束期間が延長された。また、民主運動党(PMDB)のロビイストで逃亡中だったフェルナンド・ソアーレス(通称フェルナンド・バイアーノ)容疑者が18日に出頭し、メンデス・ジュニオール社の副社長が贈賄の際に恐喝を受けていた事実があったなど、進展も見られた。19日付伯字紙が報じている。

 ラヴァ・ジャット作戦を担当するパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事は18日、同作戦で逮捕された一時逮捕の被告のうち6人の逮捕期間を延長した。
 その6人は、ペトロブラス内での増収賄に深く関わっていたとされる元サービス部長のレナト・ドゥケ氏、カマルゴ・コレア社のジョアン・アウレル経営審議会議長とダウトン・アヴァンシーニ社長、OAS社のジョゼ・アウデマリオ・ピニェイロ・フィーリョ社長とマテウス・コウチーニョ・デ・サー・オリヴェイラ経営審議会副議長、UTCエンジェニャリア社とコンストラン社とのコンソーシアム代表のリカルド・ペッソーア氏だ。6人は再犯や捜査妨害、証人への恐喝などを防ぐため、予防拘禁扱いとなった。今回のラヴァ・ジャットでは6人以外にも6人が既に予防拘禁で逮捕されていた。
 一時逮捕扱いの容疑者11人は18日に釈放されたが、その一部も含む16人の容疑者は銀行口座の守秘義務が解かれ、金の動きなどを警察や検察が自由に捜査出来ることになった。
 また、日伯の合弁企業トーヨー・セタルから800万米ドルの賄賂を受け取ったとされるPMDBのロビイスト、フェルナンド・バイアーノ容疑者が18日、クリチバのパラナ州連邦警察に出頭した。同容疑者も14日に逮捕令状が出ていた。
 同容疑者は5日間の一時逮捕扱いだが、状況次第では期間延期もありえる。同氏はドゥケ容疑者や労働者党(PT)会計のジョアン・ヴァッカリ氏と共に、ペトロブラス内の贈収賄疑惑の重要人物と目されている。
 今回の作戦で最も収穫が大きかったとされるのが、14日から予防拘禁で逮捕中のメンデス・ジュニオール社のセルジオ・クーニャ・メンデス副社長が、事件の主犯者であるパウロ・コスタ容疑者やアルベルト・ユセフ容疑者に恐喝され、800万レアルを支払ったと供述したことだ。
 メンデス氏の供述によると支払いを行なったのは2011年で、メンデスJr社がペトロブラスとの間に結んだ、パラナ州にあるプレジデンテ・ジェツリオ・ヴァルガス製油所に関する契約を失いたくないなら支払えと強要され、ユセフ容疑者のダミー会社の口座に振り込んだという。
 この当時、コスタ容疑者はペトロブラスの供給部長で、メンデス氏と闇ブローカーのユセフ容疑者とは、ジョゼ・ジャネネ下議(進歩党・PP、2010年死去)を介して出会ったという。