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ラヴァ・ジャット=アダリコ氏が連警出頭=第7次捜査最後の容疑者=ユセフの下で賄賂運搬か=弟は疑惑のPPの元都市相

 24日、14日に行なわれた連邦警察の第7次ラヴァ・ジャット作戦で逮捕令状が出た25人の容疑者のうち、唯一逃亡中だったアダリコ・ネグロモンテ・フィーリョ容疑者がパラナ州連邦警察に出頭した。同氏はジウマ政権で都市相をつとめたマリオ・モンテネグロ氏(進歩党・PP)の実兄だった。25日付伯字紙が報じている。

 アダリコ容疑者は24日午前11時頃、クリチーバにあるパラナ州連邦警察に出頭した。同容疑者の罪状は「犯罪組織形成」と「贈賄」となっているが、同容疑者の弁護士によると、「裁判所に真実を話しに来た」だけで、罪そのものは認めていないという。
 連邦警察によると、同容疑者はラヴァ・ジャット作戦の主犯、アルベルト・ユセフ容疑者の下で企業からの賄賂を持ち運び、資金洗浄に関与した疑いが持たれている。
 ユセフ容疑者の架空会社代表のカルロス・アルベルト・ペレイラ・ダ・コスタ氏の供述によると、同容疑者はユセフ容疑者の事務所から賄賂の入ったカバンや袋を運ぶ役を担っていたという。その証言に加え、ユセフ容疑者との間に交わした電話の通信記録も逮捕の決め手となった。
 ユセフ容疑者は3月にマラニョン州で逮捕された後、押収された電話から「マリンガー」と称する男性と32回電話で通話を行なっていたことが発覚したが、その「マリンガー」がアダリコ容疑者のことだった。
 アダリコ容疑者は罪状やペトロブラス問題との関わりを否定している。だが、同氏の実弟でジウマ政権で都市相をつとめたマリオ・ネグロモンテ氏は、同公社の供給部長だったパウロ・コスタ容疑者の供述の中で、同公社を巡る疑惑の関連人物として名前があがっており、同氏所属のPPも、民主運動党(PMDB)や労働者党(PT)と並ぶ疑惑の中心党として、コスタ容疑者から名指しされている。
 マリオ氏はワールドカップに関連する工事での経費水増しなど、数々の汚職を取り沙汰され、12年2月に都市相を辞任している。
 アダリコ容疑者は5日間の一時逮捕の扱いとなる。14日に逮捕令状が出た25人の被告のうち11人は既に釈放されているが、ペトロブラス贈収賄疑惑の中心人物のひとりと目されているレナト・ドゥケ容疑者ら13人は、犯罪再発を防止する目的で拘束期間が延長され、予備拘禁扱いになっている。アダリコ容疑者の場合は68歳と高齢なことと、健康に問題を抱えていると言われていることから、予備拘禁の適用は微妙だ。
 また同じく24日、ペトロブラス関連の事業で贈賄工作を行なった企業のひとつ、ガルヴォン・エンジェニャリア社のエルトン・メデイロス・フォンセカ容疑者の弁護士がペトロブラスへの贈賄実態を示す書類をパラナ州連邦地裁に提出し、総額830万レアルの賄賂のうち、23万レアルはラヴァ・ジャット作戦開始後の6月に支払われたものだったことが発覚した。