ブラジル被爆者平和協会(森田隆会長)は設立30年を機に、広島、長崎で被爆した後に南米へ渡った90人の証言集『南米在住ヒバクシャ 魂の叫び』(247貢、コジロー出版)を刊行した。一冊20レアル。
同協会が1988年から行っている健康調査アンケートを基に、90人分の被爆体験を収録。被爆時の年齢や場所とともに、当時の悲惨な光景や移民後の苦労が詳しく書かれている。
アルゼンチンやペルーなどブラジル以外の被爆者11人の証言や、在外被爆者の医療支援に携わった医師、同協会が援護施策の充実を求め裁判を起こした際の支援者らの寄稿文、被爆者協会の歩みも収録された。
制作期間は5年間。この間に証言者の半数が亡くなったという。盆小原国彦副会長は、「アンケートを開始してからずっと、世に出さねばと思っていた。特に若い人に読んでもらいたいです」と話した。
購入希望者は、同協会(11・2577・0328)まで。