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援協役員会=市と再交渉し運営継続に=返還予定だった救急診療所

 11月援協定例役員会が、21日に本部会議室で開かれた。菊地義治会長から、サンミゲル・アルカンジョ市にいったん返還が決まった救急診療所(Pronto Atendimento)の運営を、引き続き行なうことが報告された。
 昨年8月に同市にSUS病院を開院した際、援協が運営を引き継いだ救急診療所。市が「運営費として月30万レアルを基本額に、超過分も補う」と合意していたにも関わらず、支払いが滞っていたため、来年2月を期限に返還協定が結ばれていた。
 SUS病院の経費赤字分に関しても、市が補助金で補填するはずだが、7月から滞納が続いている状況だという。
 返還協定後も、市の要望により交渉が継続され、検事を交えた度重なる議論の結果、市は約50万レの焦げ付きを来月までに清算し、救急診療所への補助金も35万レアルに引き上げることに合意した。
 援協は当初、SUS病院敷地内に救急診療所建設を予定していたが見合わせ、現病院施設を効率的に利用し経費を抑えて運営することにした。
 菊地会長は本紙取材に「検事が市の間違いを指摘し、援協はやるべきことをやっていると判断した。遅れた支払いが清算されれば赤字も縮小される。これからは市と協力しつつSUS病院の運営を安定させていく」と話した。
 会計報告では、佐々木弘一会計理事が「日伯友好病院の収益が今月2千500万レの壁を突破し、利益率が16・4%に達した」などと順調な経営状況を説明した。
 また、同病院の与儀昭雄運営委員長からは、医療保険会社「UNIMED」からの保険料支払いが滞っているため、同保険利用者を他の病院に移送しているとの現状報告があった。状況が収束するまで、同保険利用者の対応は見合わせるという。