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カポエイラに興じる人々(Adenilson Nunes/Secom)
カポエイラに興じる人々(Adenilson Nunes/Secom)

カポエイラ=奴隷が生んだ格闘技=ユネスコが文化遺産に認定

 ブラジル北東部バイーア州やペルナンブコ州などに起源を持ち、奴隷制に抵抗するアフリカ系ブラジル人達が発展させた〃ローダ・デ・カポエイラ〃がユネスコの人類無形文化遺産に認定されたと26日付伯字サイト、27日付エスタード紙が報じている。
 〃ローダ・デ・カポエイラ〃は蹴り技を主体とした格闘技のカポエイラを、伝統楽器のビリンバウの演奏や歌に合わせ、大勢で輪(ローダ)になって行う一連の活動をさす。
 国際的にも格闘技、ダンス、スポーツ、芸術の要素をもった伝統文化として知られている〃ローダ・デ・カポエイラ〃は、パリで11月24日から28日まで開催されている第9回文化保護国際政府委員会において26日、ユネスコ人類無形文化遺産に登録された。
 同委員会にはブラジル国立歴史美術遺産院(Iphan)会長のジュレマ・マシャド氏、同院無形文化遺産部(DPI‐Iphan)部長のセリア・コルシーノ氏に加え、多数のカポエイラ師範らが出席した。
 ジュレマ・マシャド氏は文書で、「ローダ・デ・カポエイラが人類無形文化遺産に登録されたことで、抑圧の歴史に対抗してきた他の文化活動、それも特にアフリカ系ブラジル人の共同体にまつわる活動がより注目されるようになる」とし、「ローダ・デ・カポエイラはブラジル黒人が奴隷制に抵抗してきた歴史を表現しており、ユネスコ人類無形文化遺産への登録は、過去において抑圧され、差別されてきたアフリカ人が残してきた文化的な遺産に大きな価値があるのだとの認識をより多くの人が持つことに寄与するでしょう」と述べた。
 2008年にIphanによってブラジルの文化遺産に認定されたローダ・デ・カポエイラは、ブラジル奴隷制の期間に起源を持つ。カポエイラはアフリカ人奴隷が抑圧と暴力に対処するために作り出し、看守の目をごまかすためにダンスのふりをして修練したといわれる。また、ビリンバウやパンデイロなどの楽器や歌は当初、踊りの練習をしているように見せかけるために使われたとされている。カポエイラはブラジル文化の最大のシンボルの一つであり、ブラジル全土に愛好者がいる。世界的に見ても、160カ国以上に普及しているという。(11月26日付G1サイトより)