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サンパウロ市南部=通勤通学は護衛つき?=月60レで警備員を雇う住民

 サンパウロ市南部のペドレイラ地区では強盗被害が続出し、通勤にも支障をきたすようになったため、住民の一部は今年の初めから、自宅からバス停までの間、ボディーガードをつけることにしていると28日付フォーリャ紙が報じている。
 ボディーガードは月々60レアルの値段でバス停まで付き添い、時にはバスが来るまで共に待ちもする。ボディーガードを雇えない住民は、近所同士で連れ立って通勤したりして、単独行動を避けているという。
 住民の一人(女性)は匿名を条件に、危険な時間帯の通勤を避けるために仕事の時間を変えたことと、その理由は「1月に仕事帰りの夜道で3人の武装した強盗に襲われた」からと明かした。
 同地区所轄の第98警察署では、今年の1月から10月までに2806件の盗難事件(1日あたり平均9・2件)が発生している。この数字は1905件を記録した2013年全体の数字より47・3%大きい。
 第98署などを統括する第6区警察署長のヴァルテル・セルジオ・デ・アブレウ氏は、今年7月に盗難抑止策を導入して以来、400件以上の犯罪を解決したと述べた。
 「成人154人を逮捕し、230人の未成年者を拘束、402台の盗難車両を取り戻し、火器20丁を押収した。殺人件数は37・9%、車の盗難も14%、それぞれ減少した」という。
 大サンパウロ市圏オザスコ市のウムアラマ地区でも、三つのコンドミニアムの住民がプレジデンテ・ジョアン・グラール大通りで頻発する強盗や盗難に業を煮やし、皮肉交じりの解決策を選択。同大通りの入口には23日、「親愛なる友人、家族達、私達を訪ねて来ないで。身の安全は自分で守って。歩く時は注意し、路上駐車なんてもってのほか。ここで酷い目に遭った無数の住人達より」と書いた幕が掲げられた。
 軍警は同地域の警備は増強されており、戦略重点地域では恒常的に警戒を行っていると語った。