ラヴァ・ジャット作戦の主犯アルベルト・ユセフ容疑者が行った供述によると、ペトロブラス(PB)内での贈収賄疑惑は進歩党(PP)によって組織化されたもので、同党が大きく関与しているとの見方が強まっている。1日付エスタード紙が報じている。
ユセフ容疑者は罪の軽減と引き換えに、PBを巡る贈収賄疑惑(ペトロロン)の真相についての供述を連邦警察で行っており、その中で「PPの人間はほとんどがペトロロンに絡んでいる」「PPで疑惑に関与していないのは2人だけだ」と発言。同事件へのPPの関わりの強さをうかがわせている。PPは労働者党(PT)、民主運動党(PMDB)と並び、ペトロロンの中心3大政党と見られている。
ラヴァ・ジャットの捜査官たちは、PB内での汚職は15年ほど前からはじまっていたが、それを政党がらみの組織化した犯罪にしたのは、PP元下議の故ジョゼ・ジャネネ氏だと見ている。
15年前となると、PTが政権を担う前の民主社会党(PSDB)のカルドーゾ政権のこととなる。11月18日に逮捕されたPMDBのロビイスト、フェルナンド・バイアーノ容疑者は、この時代にもPB内では贈収賄工作が行われていたと指摘していた。
PPの前身はブラジル進歩党(PPB)で、カルドーゾ政権では連立与党のひとつだった。
ジャネネ氏がPB内の汚職を政党がらみの組織化したものとしたのは、ペトロロンの重要人物とされるPB供給部元部長のパウロ・ロベルト・コスタ容疑者を同職に指名した2004年からと見られている。
コスタ容疑者は供述の中で、PPはPBと契約を結んだ企業から契約額の1%分を賄賂として受け取っていたことやそれがどう分配されたかも語っている。連警はこのやり方をPMDBとPTが模倣したと見ている。
ジャネネ氏はメンサロン事件の際にも容疑者として名前があがっていた人物だが、2010年に他界している。
また、ジャネネ氏と同じくメンサロン事件で容疑者となり、実刑判決を受けたPP元党首のパウロ・コレア氏もラヴァ・ジャットに関与していた可能性がある。この疑いは、ラヴァ・ジャットで逮捕された闇ブローカーのカルロス・アビブ・シャテール容疑者に名前を貸していた容疑で捕まり、報奨付きの供述をしているエディエル・ヴィアーナ容疑者の証言で浮上したものだ。
ヴィアーナ容疑者によると、コレア氏は、シャテール容疑者がブラジリアに所有する「ポスト・ダ・トーレ」と称する事務所を何度か訪れている。連警によると、この事務所は選挙用の裏金を資金洗浄するために使われ、政治家たちはここで現金を受け取っていた。
ヴィアーナ容疑者は、ジャネネ氏や同氏の秘書だったジョアン・クラウジオ・ジェニュ氏とユセフ容疑者が、「ポスト・ダ・トーレ」で違法の交渉を行っていた姿も目撃しているという。
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