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自動車業界で人員整理=VWが2千人余を解雇か=集団休暇や希望退職新記録

 ブラジル工業界の牽引役を任じる自動車産業は依然として厳しい状況で、年末は例年以上の長期休暇を適用の会社が多い。希望退職(PDV)やレイオフなどの措置も新記録となったと1日付エスタード紙が報じた。
 11月28日に第3四半期の国内総生産(GDP)は第2四半期比0・1%増となり、景気後退(リセッション)から脱出したと発表されたが、自動車業界は第1、第2四半期の景気落ち込みが予想以上に響き、自動車や部品の製造会社の大半は年末休暇が例年より長くなるという。
 年末休暇最短はチェリーの1週間(24日~1月2日)だが、フォードやゼネラルモーターズ(GM)、メルセデス・ベンツ、Volvoの各社は年末休暇が4~5週間と長めになる。休暇最長のベンツは、サンパウロ州サンベルナルド・ド・カンポとミナス州ジュイス・デ・フォーラの2工場が11月28日~1月5日の5週間の休暇を採用。フォードは昨年の2倍の4週間休み、レイオフも行われているGMはサンパウロ州サンカエタノ・ド・スルとサンジョゼ・ドス・カンポスの2工場が1カ月休みとなる。Volvoクリチバ工場も、昨年より10日多い30日間の休みとなる。
 製造業者の大半が年末に長期休暇を採用するため、部品メーカーも8割がそれに準じた休みをとる。サンパウロ州の金属労組では255社が集団休暇を採用するが、その大半は自動車部品メーカーだ。
 今年1~10月の自動車生産台数は昨年同期比16%減の267万7千台で、年間目標の334万台(昨年比10%減)達成は難しい。また、この目標が達成できても、全体の生産能力430万台を22%下回る。
 生産低下は国内販売の不振やアルゼンチンへの輸出減少などで在庫が過剰となった事が原因で、ほぼ全ての自動車や部品メーカーが、集団休暇や希望退職募集、時短、一時的な雇用契約解消であるレイオフといった措置を繰り返し採用中だ。
 ABC地区金属労組のラファエル・マルケス氏によれば、広域で電力不足が起きた2001年を除くと、これほど頻繁に生産活動が止まった年はないという。
 9、10月の販売は前月比で改善、11月も1営業日当たりの販売台数は10月を若干上回ったが、11月29日付エスタード紙によると、フォルクス・ワーゲン(VW)は1月にPCVを採用し、ABC地区の従業員1万3千人中2100人を整理する意向だ。
 同社の乗用車の販売は14・7%減り、27年間シェア1位だったGolも、その座をフィアットのパリオに譲った。乗用車販売はGMも12・6%、フォードも11・9%減。シェア1位のフィアットも販売は9・7%減となっている。