統一選挙で惜しくも落選した安部順二連邦下議(PSD、73)が24日に来社し、「1972年から9回に渡って選挙を戦って7回当選した。モジ市会議員から始まって市長、連邦議員も務めることが出来たのも、皆さんの応援を頂いたおかげ」とコロニアの支援に感謝を述べた。
今回の得票数は8万票で、2010年の11万4千票から3万4千票を下回った。敗因は「10年前の市長時代の人事問題で、貴重な選挙期間のうち、数十日間もフィッシャ・リンパ法の出馬停止リストに掲載されたこと」と分析した。
9月16日には連邦選挙高等裁判所(TSE)の判断で同リストから正式に外されたが、10月5日の投票日までに有権者にその情報が行き渡らず、特に地元モジ市民の票が回復するに至らなかった。
週刊誌『ヴェージャ』による「13年に活躍した連邦議員」で、日系議員として最高位の13位に輝くなど高評価を得て、任期中に農業、教育、保健、社会保障と多岐に渡る47もの法案を提出していただけに、残念な結果となった。
現在は連立名簿(PMDB‐PROS‐PP‐PSD)の補欠1位につけている。安部氏の連立党内の当選者が、一人でも大臣や州局長に抜擢、もしくは病欠などをすれば繰り上げ当選する可能性は高い。「チャンスはあるが、自分としては期待していない」と慎重な物言いをする。
繰上げできるかが判明するのは、早ければ新大臣の陣容が判明する今年中、遅ければサンパウロ州議会が始まる来年3月中旬までずれ込む見通しだ。
安部議員は「繰り上げ当選するかは分からないが、来年は日ブラジル交樹立120周年の年でもあるので、出来ることがあれば協力したい」と文化交流にも意欲を示した。議会での承認を待つ安部氏の法案も多く、関係者の期待は厚い。