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世界エイズデー記念イベントで空に放たれた赤い風船(Alexandre Carvalho/A2 Fotografia)
世界エイズデー記念イベントで空に放たれた赤い風船(Alexandre Carvalho/A2 Fotografia)

エイズ感染に新傾向=憂慮される若年層での増加

 2013年のブラジル民10万人あたりのHIVウイルス感染者数(20・4人)は2004年(21人)と比べて微減しているが、15歳から24歳までの人に限ると、2004年(9・6人)から2013年(12・7人)に32%も増加を記録していることが分かった。2日付伯字各紙が報じている。
 1~10月に治療薬を投与されたエイズ患者は6万1221人で、昨年より29%増えた。これは、国際的な傾向に歩調をあわせ、13年12月に、それまでは症状が出た時にのみ開始されていた治療を、HIVウイルスへの感染が確認されたらすぐ開始できるようにしたためだ。保健省は現在、感染リスクの高いグループに同じ薬を事前投与する事も検討中だ。
 昨日発表されたデータによると、ブラジルでのエイズ件数は男性の同性愛者間で増加し続けている。2008年の男性同性愛者のエイズ件数は36・6%だったが、13年は43・2%になった。
 「若年層での感染者増加は特に懸念される」とアルトゥール・シオロ保健大臣が、12月1日の世界エイズデーの式典で述べた。若年層のHIVウイルス感染者増加を止めるため、保健省は、出会い系サイトなどでも注意を呼びかけるといった新しい予防対策の採用を検討している。
 ブラジルでは昨年、3万9千501件の新しいエイズ感染が確認された。新たな患者発見率は10万人につき20・4人で、依然として高い。一方、過去10年間の死亡率は低下傾向にあり、04年は10万人あたり6・1人だったエイズによる死者が、昨年は10万人あたり5・7人に減った。
 シオロ保健大臣は、現在15万人と推定されている、HIVウイルスを持っている事を自覚していないために、拡大の原因になっている人の数を減らすことも課題とし、HIV検査を受ける人を人口の90%に拡張することを目指している。