【既報関連】ペトロブラス(PB)を巡る疑惑について調査する上下両院の合同議会調査委員会(CPMI)で2日、PB元理事のパウロ・コスタ氏とネストル・セルヴェロー氏の対面証言が実現した。両者の発言には食い違いがあったが、インフラなどを巡る汚職は全国的なものとの爆発宣言もあったと3日付伯字紙が報じた。
PB元供給部長のコスタ氏は3月に連邦警察によるラヴァ・ジャット作戦(LJ)で逮捕され、8月から80回以上、報奨付の供述を行った。国際交渉担当理事だったセルヴェロー氏はコスタ氏が汚職に関与したとして名前を上げた一人だ。
CPMIは9月にもセルヴェロー氏を呼んで関与の有無を尋ねたが、同氏は「PB内での汚職については何も知らない」と関与を否定した。一方のコスタ氏は、報奨付の供述で明かした内容を他に漏らせば懲罰軽減化が無効になるとして、CPMIでも無言を通した。
そこでCPMIは、コスタ氏とセルヴェローを対峙させれば、何らかの進展が見られるのではと考えた。事実、2日のCPMIでは、コスタ氏も検察や連警に明かした内容は話さないという条件付ではあったが、要所、要所で発言し、議員達を驚かせた。
コスタ氏は「PBその他の公社の理事達は政治家の支援がなければその地位には到達しえず、その構図はサルネイ政権以降、現政権まで変わっていない」とし、「自分も政治家の指名で理事となったが(汚職の片棒を担ぐ事に)飽き飽きしていた」「心底後悔している」と語った。
また、「公的資金の横流しはPB内だけではない。同様の汚職が道路、鉄道、港湾、空港、水力発電所といった分野にも広がっている事は調べさえすればすぐ判る」とも述べた。
一方のセルヴェロー氏は9月同様、「PB内での汚職の事は何も知らない」「私も賄賂を受け取ったというのは単なる推論だ」と述べた。コスタ氏は「自分が供述した内容は全て証拠がある」とも発言しており、セルヴェロー氏が嘘をついている可能性が強まったともいえそうだ。
CPMIのメンバーからはPB疑惑に関与した政治家に関する質問も出たが、コスタ氏は「数十人の名前を挙げた」と答えるにとどめた。フォーリャ紙によると、CPMI閉会後に個人的に訊ねた議員には、「労働者党(PT)と民主運動党(PMDB)、進歩党(PP)の35~40人分」と答えたという。
なお、コスタ、セルヴェローの両氏が共に認めたのは、パサデナ製油所買収の最終責任は(理事会ではなく)経営審議会にあるという事で、当時の理事達の責任だけが問われているのはおかしいとしている。
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