サンタカタリーナ州カサドール市で11月25日、夫や恋人ら計4人を殺し、生命保険などによって財産を築いていた46歳女性が、21歳の息子と共に逮捕された。
警察やメディアが〃クロゴケグモ(ヴィウヴァ・ネグロ)〃と呼んでいるマルリ・テレス・デ・ソウザ容疑者は、14年間の内に軍警のニウソン・デ・ソウザ氏と機械オペレーターのヴァニオ・ノルディオ氏、農夫のジョセニル・デ・カルヴァーリョ氏、企業家のルイ・ジアス・デ・オリヴェイラ氏を殺害したと見られている。最初の2人は元夫で、残る2人は愛人だった。
ルイ氏との間に生まれた子供は、マルリ容疑者と共に逮捕されたウリセス・ソウザ・デ・オリヴェイラ容疑者(21)だ。マルリ容疑者はウリセス容疑者を焚き付けて疎遠になっていた父親に接近させ、勉強したいから銀行から金を借りて貸してくれと頼ませた。
ウリセス容疑者がしつこく頼んだため、ルイ氏が折れ、銀行に同行したが、ルイ氏は学資を借りるのではなく、息子の名前で生命保険2件の契約書にサインした。
保険契約から1カ月も経たない今年6月、州道350号線脇で発見された小型トラックの運転席でルイ氏の遺体が見つかった。警察は帰宅途中のルイ氏が急に気分が悪くなり、事故を起こしたと判断。ウリセス容疑者らは、事故死の場合は2倍の金が払われるとの保険規定により、126万レアルを受け取った。
だが、それから2カ月後、警察はインターネットで「ルイ氏は毒殺された」という匿名情報を受け取った。警察が調べたところ、ルイ氏の遺体から、抗アレルギー剤と、使用規制もある強力な睡眠剤という、2種類の薬物が検出された。
その後の調査で、ルイ氏はこれらの薬物を常用しておらず、必要としてもいなかった事が判明したため、警察は保険金殺人として2人を逮捕。11月30日のTV番組では、ウリセス容疑者がルイ氏の車を運転、マルリ容疑者も後部座席に乗って現場に向い、車を草むらに突っ込ませた後に、2人して助手席に乗せていたルイ氏の遺体を運転席に移すという形でカモフラージュしたとの見解が明らかにされた。
他の3人については、警察がマルリ容疑者の自宅でルイ氏以外の3人の男性にまつわる書類を見つけた事で捜査が始まったという。
ジョセニル氏が毒殺されたのは2年前で、妹のマリネス氏によると、マルリ容疑者は遺族が知らない内にジョゼニル氏を生命保険に加入させており、保険金の19万5千レアルは同容疑者の手に渡ったという。
クロゴケグモのメスは交尾し終わった後のオスを捕まえて食べる習性もある事がよく知られているが、マルリ容疑者は4人を殺害する事で、家2軒と生命保険2件、生活手当て1件を手中に収めたとされている。
同容疑者は逮捕される前に別の男性にも接触。この男性は交際し始めてから2カ月しか経っていないのにマルリ容疑者が生命保険の話をし始めたのに不信感を抱き、交際するのを止めたという。(1日付G1サイトより)