【既報関連】ラヴァ・ジャット作戦で捜査線上に上り、報奨付きの供述を行っているトーヨー・セタル社幹部が、ペトロブラス(PB)との契約絡みの賄賂の一部は、労働者党(PT)に対する政治献金として同党の口座に直接支払われたと供述していたことがわかった。4日付伯字紙が報じている。
トーヨー・セタル役員のアウグスト・リベイロ・デ・メンドンサ・ネット容疑者とジュリオ・カマルゴ容疑者は、現在、罪の軽減を引き換えとする報奨つきの供述を連邦警察と連邦検察庁に対して行っている。今回、ペトロブラスとの供給契約を媒介としたPTへの贈賄を改めて認めたのはメンドンサ・ネット容疑者だ。
同容疑者によると、トーヨー・セタルはペトロブラスとの契約の見返りに、少なくとも1億5300万レアルの贈賄を行っており、そのうちの400万レアルは、2008~11年にPTに政治献金の形で支払ったという。PTへの政治献金はジェツリオ・ヴァルガス製油所(Repar)の事業契約に関する賄賂で、PBの事業契約に基づく賄賂の支払い先を支持していたのはPBの元サービス部長で11月14日に逮捕(12月3日に釈放)されたレナト・ドゥケ容疑者だという。
同容疑者によると、PTへの政治献金は同社傘下のSOGオレオ&ガス、Setec、PEMエンジェニャリアの名前で行われた。選挙裁判所にはこれら3社が08~11年に行ったPTへの政治献金は340万レアル(エスタード紙、フォーリャ紙では358万レアル)との記録があり、そのうち200万レアルはジウマ大統領が大統領選で初当選した2010年に支払われた。
政治献金を行う際は、同贈収賄工作で疑惑の人物と目されるPT会計のジョアン・ヴァッカリ氏には事前に会って伝えていたが、ドゥケ氏から指示を受けたことは伏せていたという。
また、同社傘下のSOGなどからなるコンソーシアムがReparの契約を獲得できるよう、ドゥケ氏と同氏の部下で元課長のペドロ・バルスコ容疑者に対し、2007~10年に総額5~6万レアルの賄賂を払ったという。この金は現金や国外の口座への送金、献金の形で支払われた。
ドゥケ氏が仕切るPBの入札には「クラブ」と呼ばれる特定のグループの企業だけが参加し、契約に都合が良いように、事前に価格表などが書かれた事業のリストが作られるなど、カルテルが疑われる発言もあった。
一方、カマルゴ容疑者は、ウルグアイ、スイス(二つ)、ニューヨークの四つの秘密口座を通して7400万ドルが動いたと供述している。それらの金は、ドゥケ容疑者やバルスコ容疑者、同事件主犯で闇ブローカーのアルベルト・ユセフ容疑者、PB元供給部長のパウロ・ロベルト・コスタ容疑者、さらに民主運動党(PMDB)のロビイストのフェルナンド・バイアーノ容疑者らが受け取り、PTやPMDB、進歩党(PP)などに渡ったという。
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