16年のリオ五輪に向け、ブラジル水泳界に頼もしい存在が台頭した。12月3日からカタールのドーハで開催中の国際的な水泳選手権、世界短水路選手権で、ブラジルは開催2日目で金メダル三つを獲得する大活躍を見せているが、その三つともに貢献したのがフェリペ・フランサだ。
フェリペは3日、男子200メートル・メドレーリレーに平泳ぎの選手として参加。一緒に泳いだのは、ギリェルメ・ギド(背泳)、ニコラス・サントス(バタフライ)、北京五輪50メートル自由形金メダリストのセーザル・シエロで、世界新記録となる1分30秒51を出す会心の泳ぎで優勝した。
この優勝インタビューで、ブラジル水泳界の顔でもあるシエロは、「このメドレーチームの中で1人だけ特出する人物をあげるとしたらフェリペだね。あいつは怪物だよ」と絶賛した。
フェリペはシエロと同じ1987年生まれの27歳で、シエロと同じく早くから将来を嘱望され、12年のロンドン五輪のときにもメダルが期待されていた。だが、この時はプレッシャーからか、100メートル平泳ぎで2009年に出した56秒49の自己記録よりも大幅に悪い成績で、1分の壁さえ破れずに準決勝で敗退。12位に終わっていた。
だが、今回のフェリペはそのときよりもはるかに強くなっていた。男子メドレーリレーを制した翌日の4日、フェリペは100メートル平泳ぎの決勝で、56秒29の大会新記録を記録する快調の泳ぎで、この大会2個目の金メダルを獲得した。「本当に嬉しい。僕がリオ五輪で表彰台を目指しているのはまさにこの種目だからね」とフェリペは大喜びだった。
だが、この日、もうひとつの喜びがフェリペには待っていた。それは男女混合200メートル・メドレーリレーでの金メダルだ。フェリペはこの種目に、ニコラス・サント、エチエネ・メデイロス(背泳)、ラリッサ・マルチンス(自由形)と共に出場し、1分37秒25のタイムで優勝した。これにはフェリペも「メダルが取れればいいなとは思っていたけど、まさか金とはね」と驚いていた。(5日付エスタード紙より)