ダッタ・ポプラールの全国調査によると、若い女性の78%は何らかの嫌がらせを受けた事があり、ブラジルは男性主義社会と感じている人は96%に及ぶ事などが判明と3日付エスタード紙やG1サイトなどが報じた。
回答者は16~24歳の男性1017人、女性1029人の計2046人で、女性の78%は何らかの嫌がらせを受けた経験があった。その内訳は、人格を無視するような表現や暴力的な言葉でからかったりなじったりする(68%)、フェスタやクラブなどで体に触る(44%)、公共交通機関での痴漢行為(31%)、無理やりにキスされる(30%)などとなっている。
〃女性への暴力〃というと肉体的なものととらえられがちだが、実際には精神的、肉体的な傷を負わせるもの全てが含まれ、男性の66%は交際相手や伴侶に暴力を振るった事があるという。
女性が実際に受けた暴力行為は、携帯電話の通話記録やメッセージを勝手に見る(53%)、酷い言葉でなじったり罵倒したりする(35%)、特定の衣服を使うのを禁じる(33%)、突き飛ばしたり激しくゆすぶったりする(18%)、腕をひねったり押さえつけたりする(17%)、人前で辱める(12%)、殴る・叩く(9%)などとなっている。
24歳で学生のクラリセさん(仮名)は、4年間交際した相手が無理やり性行為に及んだ上、実際に起きた事を起きていないように話したりして自分の記憶を疑わせるように仕向けるガスライティングという心理的暴力も繰り返し受けた。
相手の男性は、彼女が自分が気に入らないスカートをはいて大学に行った、バールのガルソンに色目を使った、幼馴染が夜尋ねてきた、インターネットに自分は異なる意見を書き込んだなど、事ある毎に文句をつけ、携帯電話やeメールのメッセージも勝手に閲覧。悪い事は何でも彼女のせいにされ、ケンカが絶えなかったという。
耐え切れなくなったクラリセさんは縁を切ると宣言したが、その翌日も何事もなかったかのように大学まで送ると言って自宅まで来るなどのガスライティングを繰り返したため、大学構内で友人達もいる前で「あなたとの関係はもう終った」と宣言して、縁を切った。
その後の彼女は精神的に不安定になり、不眠症や食欲不振などの症状が出て、うつ病の治療を受けている。
男性が女性に暴力を振るう原因の一つは96%が男性主義と感じる社会環境や家庭内での経験で、父親が母親に暴力を振るうのを見た事があると答えた人は43%。家庭内暴力を目撃した事のある男性の64%は自分も女性をコントロールしようとするなど、暴力を振るう側に回っていた。