上半期の販売不振が原因で過剰在庫を抱えこんでいた自動車業界は、業績が思ったように回復せず、11月も前月比9・7%の減産で、1~11月の累積生産台数は昨年同期比15・5%減となったと5日付伯字紙が報じた。
4日の発表によると、11カ月間の累積生産台数は294万台で、昨年同期の348万台を15・5%下回った。また、294万台という数字は2009年以来の低い成績だ。
一方、11月の乗用車と軽商用車、トラック、バスの販売台数は計29万4700台で、10月比4%減だった。1~11月の累積販売台数は313万台で、昨年同期の341万台比8・4%減となった。この数字もここ5年間で最低だ。輸出に関しては、最大の顧客であるアルゼンチンへの輸出が45%減ったため、40・6%減少している。
ただし、11月は銀行が認めたローン販売の件数が前月比13%増えており、来年1月の工業製品税の減税措置終了前の駆け込み需要も重なれば12月の販売は上向く可能性があるという。
他方、気がかりなのは同業界の雇用で、11月末現在の同業界の従業員数は14万6200人。前月比では846人減っており、13カ月連続の従業員数減少となった。業界では、今年だけで1万800人が解雇されている。
同業界の雇用減少は生産低下が直接的原因で、10月は40日分だった在庫数も、11月は42日分に増えている。