汚職と闘う国際的非政府組織「トランスペアレンシー・インターナショナル」(本部ドイツ・ベルリン)が3日、本年度版「汚職指数」を発表した。世界175カ国・地域を対象に政治的腐敗度を調査したもの。予想にたがわずと言うべきか、最も清浄な順位は1位からデンマーク、ニュージーランド、フィンランド、スウェーデンと北欧・欧州諸国が並んだ▼腐敗レベルは1~100点までで数値化されていて、数値が高いほど清潔度が高い。1位のデンマークを見ると92点、日本は76点で15位、ブラジルはイタリア、ギリシャ等7カ国と並んで43点獲得で69位。ブラジルの順位が意外と高いのは、50点にも満たない国が120カ国と大半と占めているせいだ。世界的に見ると、実は当地の腐敗はむしろ〃標準レベル〃のようだ▼「魚は頭から腐る」と言うが、腐敗した政治家が国民を道連れにするのだろうか? 昨年、国連が発表した「世界幸福度報告書」の上位10カ国中の7カ国が、今回最も清浄だった上位10カ国にもランクインしていた。つまり、政治が清いほど社会制度や保障が充実し、国民は幸福になるようだ▼ポ語サイト「Terra」によると、他者への信頼度調査において、デンマークでは国民の78%が「人を信頼できる」と答えたのに対し、当地で肯定的回答をしたのはわずか10%だった。相互信頼を基盤とした社会は経済大国とはならずとも、息の長い繁栄と国民の幸福を維持できるのだろう▼当地のように「他人を見たら泥棒と思え」という性悪説に基づく社会は人心を擦り減らす。〃腐った魚〃の大半が鮮魚に置き換わるのはいつの日か。(阿)