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三世のビザ発給に遅れ=デカセギ訪日の妨げに=在聖総領事館「努力している」

 在聖日本国総領事館(福嶌教輝総領事)による三世を対象とした査証の発給が遅れている。日本政府による帰国支援を受けていなければ、三世向け査証は通常なら6週間で発給されるが、サンパウロ市の派遣業者によれば「8月頃から遅れ出し、通常よりも2、3週間ほど時間がかかっている」との状況だという。現在は年末年始の駆け込み需要で2~3カ月の短期デカセギに渡日する人が増えており、「短期のバイトをしたい人は数週間の遅れでも困る。チケットを取るのに見通しが立たない」と嘆く声も出ている。

 通常なら二世は申請から1週間、三世は6週間で査証が出る。ただし派遣業者によれば、リーマン・ショックに伴う雇用減に対処するため、日本政府が行なった帰国支援を受けた場合は、世代に関わらず発給が遅れている。この場合は最低でも3~4カ月かかるが、中には9カ月かかったケースもあったという。「日本での滞在記録を調べているのだろうから、これは仕方がない」と彼らも納得ずみだ。
 問題は帰国支援を受けていない三世のビザ発給が遅れていること。ある業者によれば「初めて日本に行く人は遅れないが、帰国支援を受けていなくても一度行ったことがある人は遅れる傾向がある」という。
 年末年始の短期雇用のみならず、日本の緩やかな景気回復に伴い製造・食品業を中心とした求人も増えており、三世の長期デカセギ希望者にとっても、査証発給の遅れは障害となっている。
 日本政府は、3年間までだった外国人技能実習制度を、東京五輪のある2020年まで5年間に延長するなどの方針を示し、労働者不足に対処しようとしている状況だ。
 在聖総領事館にもといい合わせてみたが、「帰国支援を受けた人と受けていない人、二世と三世の違いなどは、審査にかかる部分のため、お答えできません。可能な限り早急に発給できるよう努力しているので、ご理解ください」との回答で、遅れの原因など詳細は分からなかった。
 早急な改善が望まれるが「申請数が増えるせいか、毎年この時期になると遅れる」との声もある。年末にかけて日本のビザを申請する場合は、長めに余裕をみて申請した方が良さそうだ。


「四世にも特別査証を」=お仕事ドットコム署名運動

署名を呼びかけるコリ・パッソスさん

署名を呼びかけるコリ・パッソスさん

 サンパウロ市リベルダーデ区にあるビザ取得代行業者「お仕事ドットコム」社では、四世のデカセギ希望者が多いことから、今年3月から四世への特別定住者ビザ発給を求める署名運動を行なっている。
 同社のコリ・パッソスさんは「目標は5万人の署名を集めること。まだ420人だが、日本に行きたがっている四世がとても多いから」と粘り強くキャンペーンを続けている。
 四世の場合、査証が認められる条件は18歳未満で両親がいること。「18歳以上でも申請することは出来るが、総領事館にはビザを出す義務はない。ほとんどの場合、発給されない」と言う。同社を通してビザを取得できた19歳の四世は、独身の母親が10歳以下の子供二人を抱えていたケースで、母親をサポートできると判断されたようだ。
 5万人署名達成の目標はまだ遠く、コリさんは前段階として「四世ビザ解禁に関するニュースレターへの登録者が5千人に達した時点で、在伯日本国大使館に出向くつもりだ」と話している。
 詳細およびニュースレターへの登録は同社サイト(www.shigoto.com.br/visto_yonsei.html)まで。