国際労働機関(ILO、ポ語表記はOIT)が4日、男女間の給与格差は依然として大きく、ブラジルや欧州、ロシアでは女性の方が学歴や生産性の高さなどで勝っているのに男性より給与が低いと発表したと4日付G1サイトや6日付エスタード紙などが報じた。
ILOは1919年に創設された国連の専門機関で、世界の労働者の労働条件と生活水準の改善を目的としている。今回発表されたデータは38カ国の労働者の給与実態を調べたもので、全ての国で男性の方が女性より給与が高く、女性の方が学歴や経験、生産性の高さなどで男性より勝っているのに、男性より給与が低い地域もあった。
ILOによると、ブラジルは世界に見ても女性の生産性が高い国の一つで、学歴や経験、生産性の高さから行けば、女性の給与は同じ仕事をする男性のそれより11%高くあるべきだという。だが、現実にはブラジル女性の平均給与は同じ仕事をしている男性のそれより24・4%低く、あるべき給与と現実の給与の格差が大きい国とされた。
ブラジル以外に、女性の給与は男性より高くあるべきなのに男性より低いとされたのは欧州とロシアだ。ILOによると、欧州26カ国の女性は同じ仕事をする男性より0・9%高い給与を受け取るべきだが、実際には男性より19%少ない。デンマークやスイス、リトアニアなどは、ブラジル同様、女性の方が10%以上高い給与を得るべきで、スロベニアに至ってはその比率は18・5%とされているが、それでも女性の方が給与は安い。ロシアの場合も11・1%高い給与を受け取るべきなのに、32・8%少ない額しかもらっていないという。
男女の生産性の差が最も少ないのは中国で、女性の給与は男性より0・2%高くあるべきだが、実際の給与は男性より22・9%少ない。
給与差が最も大きかったのは米国の35・8%で、男性が100ドル受け取る時も女性は64・2ドルしかもらえない。こういった差は性による差別が原因だという。
ブラジル人の所得については伸びの鈍化も指摘されており、所得向上が続く中国に追い越される日は近いという。
世界的に見た所得は2013年も2%伸びた。この数字は2008年の3%より小さく、先進国の所得がほとんど伸びていないのを反映。平均所得を押し上げたのは新興国で5・9%伸びたのが原因だが、ブラジルの場合、13年の伸びは1・8%で、前年の4・1%の半分以下だ。中国の平均所得は1996年の498元が2003年に1100元、13年は4200元に向上。この額は613ドル、1500レアルに相当し、2015年か16年にはブラジル人の平均所得を上回る見込みだ。
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