女性が年を取り見た目の美しさが衰えると〃賞味期限切れ〃扱いされることの多い昨今、いかに魅力を保つかは全女性の関心事だ。週末にコロニア・ピニャールであった「南米婦人の集い」で講演した聖南西文化体育連盟広報の小川彰夫さんは、「若い時は目立たないけど、時間がたてばたつほど味が出るのが日系婦人」と語る。「若い時は地味」と言う点は多少引っかかるものの、理想的な年の取り方だと思う▼同集いに参加した約60人の婦人の大半はADESC(農協婦人部連合会)の会員だったが、その底抜けに明るく元気なことと言ったら若者顔負けだった。パラグアイやボリビアの参加者も、口々に「すごいパワーで刺激を受けた」「自分の国では70、80代はもう引退しているのに」と圧倒された様子だが、全く同感だ▼そのパワーの源は吉泉美和子元会長に言わせれば、「『人慣れ』してるから」。聞き慣れない言葉だが、「常に人と触れ合い、それを楽しむこと」ということのようだ▼「死ぬまでに出来るだけ良い人間になりたいから」と、金槌を克服するため水泳の練習も始めるという滝井孝子さんにも脱帽した。アレルギー体質で牛乳や小麦など食べられない食品が多いらしいが、「アレルギーがあっても、世の中美味しいものは山ほどあるでしょ。そのことに感謝、感謝」と破顔一笑する。感謝の気持ちを保ち、「年だから」と自分の限界を決めず前進を続けるその姿勢も、元気の源だろうか▼見た目は70、80でも不思議と少女のような〃鮮度〃がADESC婦人にはある。彼女達のように寝かせるほど味わい深い、ワインのような存在でありたいものだと思う。(阿)