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リオ州のシリアルキラー=白人系女性ら43人殺す

 リオ州バイシャーダ・フルミネンセで10日、ノヴァ・イグアスーの女性を刺殺したとして逮捕されたサイウソン・ジョゼ・ダス・グラッサス容疑者(26)が、その他にも42人を殺したと自白、同容疑者の同居者で複数の殺人を依頼していた夫婦も逮捕された。
 サイウソン容疑者の自白によれば、被害者は女性38人と男性3人、子供1人で、標的の大半はバイシャーダ・フルミネンセに住む白人系の女性だった。
 警察によると、同容疑者は被害者の行動や住居などを充分に観察し、いつ、どこで襲えば最も容易に殺害できるかを見極めた上で犯行に及んでいたという。
 同容疑者は「人を殺した直後は精神的に安定しているが、殺していない時はイライラして家の中を歩き回っていた」「一人殺せば、その後は2~3カ月、殺した相手の事ばかり考え、落ち着いていられる」という。
 同容疑者は身元が割れないよう、覆面や手袋を使用。防犯カメラの有無も充分に観察し、身元を確認されるような書類は一切持たずに出かける、相手と喧嘩になったりした時は相手の爪を切るといった具合で実に用意周到だった。
 犯罪に手を染めたのは10代で、最初は窃盗行為を繰り返していたが、その内に段々、人を殺す事も考え始めたという。15歳の時は人のカバンを盗んだりしていたが、17歳の時、初めて女性を殺して味わった興奮が忘れられず、次々に犯行を繰り返す内にそれが習性になったという。
 表情も変えずに自白する容疑者の姿は殺人事件を扱いなれた警察官をも驚かせたが、供述の内容を聞いた担当警部は「これだけの数の事件についてこと細かく話せるのは当事者しかいない」として、供述は信憑性があると判断。何件かについてはその場で事件の記録を調べ、詳細を確認しており、他の事件に関する裏づけも取り始めた。
 同容疑者は、ある女性とその夫だった男性から頼まれて殺した例もあると供述しており、殺した褒美として、水や食料、服、住居、必要なものを買う金などを受け取ったという。
 サイウソン容疑者によれば、クレウザ・バウビナ・デ・パウラ容疑者(42)と彼女の元夫のジョゼ・メシアス容疑者からの頼まれた時はナイフで刺し殺し、自分の意思で犯行に及んだ時は絞め殺していたという。
 依頼されての殺人は4件で、2011年に殺された52歳男性は、依頼主らに40レアルの借金があった。14年10月に殺された49歳男性は携帯電話を盗んだとされ、同11月に殺された60歳男性はクレウザ容疑者との不和が原因。サイウソン容疑者ら逮捕のきっかけとなった女性の場合も、クレウザ容疑者と口論した後に殺害の依頼があったという。
 同容疑者は2007年に窃盗、強盗罪で2度、2010年には武器の不法所持で1度、今年2月にも窃盗罪でと過去4回警察に捕まっており、刑務所で読んだ本によって殺害方法などを勉強したと供述している。
 同容疑者には後悔の念はかけらほども見られず、「刑務所から出たらまた同じ事をやるさ」と言っているという。(11日付G1サイトより)