日本から戻ると、町の至るところにクリスマスツリーやサンタクロースがお目見えしていた。日本ではちらほらだったので、一気に迫った感が新鮮だった。午後5時ですでに暗かったのが、8時でも明るい。イルミネーションを楽しめる時間は少ないとはいえ、各施設や家なども趣向を凝らしてライトアップし、雰囲気を盛り上げる。時差ボケで起きた真夜中に楽しませてもらった▼プレゼントを贈る相手も、家族や恋人など特別な人に贈ればいい日本と違い、親戚、学校の先生、アパートの管理人に至るまでプレゼントが飛び交う。年末は何かと物入りだ。となると、激しいクリスマス商戦を想像するが、どうも盛り上がりに欠けるようだ▼本紙でも取り上げたが、クリスマスの支出を昨年以下に抑えようとする消費者が43%にも上るという。昨年の小売店の前年比の販売増は5・1%とよくはないのだが、今年は2・3%に留まるようだ。ちなみに商品別にいうと、玩具20・7%、本8・1%、嗜好品5・3%、電子機器5・2%、香水4・4%、衣類4・2%、靴3・5%、家庭用品0・5%、家電製品0・3%とか▼国民の半数がクレジットカードの負債などを抱えていては財布の紐も固かろう。例年のことだが年末は、ひったくりや強盗が多発するので気をつけたいところ。一方、カトリック大国だけに施しを与えることに熱心な面もあるので、プレゼントやお金をもらうため路上生活者を装う家族もいるようだ。クリスマスが済むと貧民街にある自分の家に戻っていくという。悲喜こもごものブラジルの師走、いつまで経っても乗り切れないのは日本人の性か。(剛)