連邦検察庁は15日、ラヴァ・ジャット作戦を基に、ペトロブラス(PB)元国際部部長のネストル・セルヴェロー氏ら4人を新たに告発した。今回の告発は、2006~07年に行われた石油プラットフォームの不正購入に伴うものだ。16日付伯字紙が報じている。
先週はPB供給部の汚職に関与した36人の容疑者を告発した連邦検察庁だが、今回行った告発は国際部の汚職に関してのものだった。
告発を受けたのは、元国際部長のネストル・セルヴェロー容疑者、民主運動党(PMDB)ロビイストのフェルナンド・バイアーノ容疑者、ラヴァ・ジャット作戦仕掛け人のアルベルト・ユセフ容疑者、トーヨー・セタル・グループ石油ガス部門長のジュリオ・カマルゴ容疑者の4人だ。
今回問題となったのは、06年と07年にペトロブラス国際部で契約締結がなされた二つの石油掘削船の購入と事業契約だ。ひとつは06年に締結され、アフリカ沖の深海油田で掘削作業を行っている「ペトロブラス10000」で、もうひとつは07年に締結、メキシコ湾上で作業中の「ヴィットーリア10000」だ。
セルヴェロー氏とバイアーノ容疑者は、掘削船2隻に関する契約を「容易にするため」に、合計4千万米ドルの賄賂を受け取ったとされている。その内訳は「ペトロブラス10000」で1500万米ドル、「ヴィットーリア10000」で2500万米ドルとなっている。
この二つの掘削船の購入額は12億米ドルだった。掘削船は韓国のサムスン重工業が建造したもので、PBと三井の合弁会社と石油採掘業者の間の合意に基づいて、各々の海域で掘削作業にあたっている。
これらの船の購入などの契約を仲介したのがジュリオ・カマルゴ容疑者で、同容疑者は自身の企業であるピエモンテ社を通じてサムスン重工業からの報奨金約2000万米ドルを受け取っていた。また、セルヴェロー容疑者とバイアーノ容疑者への賄賂の支払いのために動いたのがユセフ容疑者で、自分のところに振り込まれた金の中からコミッションを引いた額をバイアーノ容疑者に支払っていた。
セルヴェロー氏とバイアーノ氏が組んでいる背景には、セルヴェロー氏を同職に推薦したのがPMDBだったからだ。
セルヴェロー氏の名は、PBが米国のパサデナ製油所を買収し、過剰な支払いが疑問視された際に疑惑の人物として浮上していた。2006年に同公社が同製油所を買収する際、現大統領のジウマ氏は同公社の経営審議会議長として買収に賛成していたが、セルヴェロー氏らが審議のために用意した契約書の要約は重要事項が削られていたと主張している。
ラヴァ・ジャット作戦では今後、PB疑惑に関して、元サービス部長のレナト・ドゥケ容疑者らにまつわる贈収賄工作の告発が行われる予定だ。
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