連邦議会が17日、2015年度予算案審議のための土台となる連邦予算基本法(LDO)を承認したと18日付伯字紙が報じた。
LDOには15年度予算案の骨組みともなる経済目標などが盛り込まれており、これが承認されれば、来年度予算案が年内に承認出来なくても公共支出が可能となる。
7月までに承認されるはずのLDOの審議は選挙などで大幅に遅れ、連邦政府は22日までにLDOを承認するよう議会に働きかけていた。承認そのものは、レナン・カリェイロス議長が与野党合意の一つの次期財務相との会合で抜けている間に、議長代行のロメロ・ジュカ上議の采配で、瞬く間に行われた。
LDOに盛り込まれた経済目標の一つは基礎的財政収支の黒字目標で、中央政府の場合は国内総生産(GDP)の1%にあたる553億レアル(以下レ)、州と市の分も入れると663億レ(GDPの1・2%)とされている。
これらの経済目標は第2期ジウマ政権の経済スタッフのレヴィ次期財務相、バルボーザ次期企画相らが4日に発表、議会に送付したものだ。
野党側は当初、LDOの審議を引き延ばす意向を表明していたが、次期財務相と議員の会合や野党議員が提出している企画案の承認などを条件に審議を加速するとの合意が成立し、17日の電撃承認となった。
同日の連邦議会では、下院が最高裁判事と連邦議員の給与を月額3万3763レとする事も承認。従来は最高裁判事と同額だったはずの大統領の給与は、現行の2万6723・13レより15・76%増の3万934・70レとなる。両院議員の現行給は大統領給と同額だが、最高裁判事の現行給は29462・25レに調整済みで、35919・05レへの引き上げを望んでいた。最高裁判事の給与は公務員給の上限となる。
3権の公務員給引き上げは今後、上院で審議されるが、このまま承認されれば、来年度の中央政府の人件費は最低5億5320万レアルの負担増となる。中央財政が逼迫している中での給与引き上げを懸念した政府が介入したため、検事らの給与に関する審議は延期されたが、人件費などの支出が増えれば、税収を図る必要が生ずるのは火を見るよりも明らかだ。
17日の議会では15年度の所得税を6・5%調整する事も決まった。これにより、個人の場合は月収1903・98レ以下が免税、1903・99~2853・44レは7・5%(控除額142・80レ)、同様に3804・64レまでは15%(同356・81レ)、4753・96レまでは22・5%(同642・15レ)、それ以上は27・5%(同879・85レ)となる。