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今年の世界選手権でのベルナルジーニョ監督(Alexandre Arruda/CBV)
今年の世界選手権でのベルナルジーニョ監督(Alexandre Arruda/CBV)

バレー名将=ベルナルジーニョが癌手術=現在の協会汚職への怒りも吐露

 今やサッカーに勝るとも劣らない「バレー王国」となっているブラジルだが、男子代表を率いる監督、ベルナルジーニョが、このほど腎臓癌の手術を受けていたことを公表した。
 ベルナルジーニョといえば、1984年にブラジルがオリンピックで初のメダル(銀)を獲得した際の主力選手で、以後、90年代は女子代表、2000年代以降は男子代表の監督をつとめている。96年のアトランタ五輪から12年のロンドン五輪まで5大会連続でブラジルにメダルをもたらし、ブラジル・バレー界に多大な貢献をした監督として名高い。
 そのベルナルジーニョが今年9月に腎臓癌の手術を受けていたことを、ヴェージャ誌が最新号で明かした。同誌によると、癌が見つかったのは、ポーランドで行なわれた世界選手権から帰国した後の定期検査でのことだったという。
 「1年10カ月前の前回検査では全く異常がなかっただけに驚いたよ」と語るベルナルジーニョは、サンパウロ市のシリオ・リバネス病院で手術を受け、既に3カ月が経過した。「担当医に〃私があなたの体から取り除いたものは、この国にとっても取り除かなくてはいけないものでしたよ〃と言われてね」と振り返った名監督は、「現在のバレーボール界で起きていることは、一つの癌細胞が増殖して組織全体を蝕んでいるようなもので、この悪しき細胞は取り除かれなければならない」と警告した。
 現在、ブラジル・バレー界は連盟の汚職により危機に陥っている。それの発端は、ブラジル・バレーボール連盟(CBV)が国庫庁(CGU)から、アリ・グラッサ氏が会長だった2010~13年に少なくとも3千万レアルの不正な資金の動きがあったと指摘されたことだ。この不正が指摘されたため、1991年からCBVのスポンサーだったブラジル銀行は、即座にスポンサー契約を解約した。
 選手たちはみな抗議行動を起こし、国内のプロ・リーグ「スーペルリーガ」に、ピエロのあかいはなのスポンサーであるからの資金援助を凍結するように勧告されたためだ。
 これに関しベルナルジーニョに「私は、CBVのアリ・グラッサ会長が国際バレーボール連盟(FIVB)の会長に立候補(当選し現会長)した12年に改革を求めた。13年に(スーペル・リーグのチームの)ヴォウタ・レドンダが債務不履行でリーグ出場の危機に陥った際にもCBVに出向いて問題を改善しないと代表監督を降りるとまで言ったんだ」と現在の協会の現状を嘆き、「現在のような問題を抱えたままではいけない」と、グラッサ氏のFIVB会長辞任を望んでいる。
 「バレーは美しいスポーツなのに、今やそれも交渉ごとの世界のものになってしまった」とベルナルジーニョは嘆く。だが、彼は「選手たちは本当によくやってくれている」と男子、女子代表の立場を代弁、16年のリオ五輪に臨む所存だ。(19日付グローボ紙サイトより)