地理統計院(IBGE)が18日、ブラジルではまだ720万人が、何も食べずに1日を過ごすなどの食の危機の中にいると発表したと19日付エスタード紙が報じた。
食生活が保証されている事は安定した生活の基礎だが、2013年の全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、直近の3カ月間に食料が買えず、何も食べずに1日中過ごした人が最低でも1人いるという家庭が210万世帯(全世帯の3・2%)あり、720万人(総人口の3・6%)が飢餓を経験した。
この数字は2009年の1130万人(人口の5・8%、世帯数の4・6%)より改善したが、2002年の大統領選でルーラ前大統領が訴えた「フォーメ(飢餓)・ゼロ」や2010年選挙のジウマ大統領の公約「極貧撲滅」はまだ遠い。
先に挙げた720万人は食生活の不安度が高いグループ(重度)だが、食事の量を減らし、中程度の不安を訴えたのは300万世帯(4・6%、1030万人)、食料が手に入るかと不安にかられるなど、軽度の不安を抱える家庭も960万世帯(14・8%、3450万人)あった。
総計すると22・6%の世帯は食生活に不安を抱えている事になり、最も不安にさらされているのは北部や北東部の農村部に住む17歳以下の子供や青年だという。
地域別に見ると、食生活に不安を抱える家庭は北東伯(38・1%)や北伯(36・1%)に多く、中西伯や南伯、南東伯は18・2%、14・9%、14・5%。重度の不安を抱える家庭の割合は、北伯6・7%、北東伯6・6%、中西伯2・3%、南伯と南東伯1・9%だった。食生活に不安を抱える家庭が最も多い州はマラニョンの60・9%で、ピアウイが55・6%で続く。
他の経費を削らなくても食生活は確保されている家庭は77・4%で、2004年の65・1%や09年の69・8%より増加。食生活が確保されている家庭が多いのはエスピリトサントの89・6%やサンタカタリーナの88・9%、サンパウロ州の88・4%などだ。
食料を買えない場合の対処方法は、ツケで買う43・3%が最多。連邦政府の生活扶助(ボウサ・ファミリア)のカードを見せて信用してもらう人が多い事が覗われるが、余分な食料は買わない、金を借りる、肉などを減らす、寄付を仰ぐなどの方法もあった。
一方、食生活に不安を抱える家庭の10%はコンピューターでインターネットを利用、ネットはないがコンピューターはある家庭も13・8%ある。食生活に不安がある家庭の93・5%はフォゴンを所有。85・8%は冷蔵庫、88・4%はテレビ、21・8%は洗濯機を持っており、生活の質は向上している。