20、21日はクリスマス(ナタール)前最後の週末で、ショッピングセンターなどが賑わったが、人出の割に売上が伸びず、安売りの前倒しなどを行う店も見られたと21、22日付伯字紙や各紙サイトが報じた。
21日付エスタード紙によれば、サンパウロ市の消費者は「必要な物だけ」という意識が強いという。昨年の同市のショッピングセンターでは、ロレジーニョと呼ばれるファンクの集会が暴力事件に発展したりするのを恐れる傾向があったが、今年の場合は経済の伸び悩みが最大の懸念材料だ。
現政権では国内総生産(GDP)を表すポ語のPIBから来た〃ピビーニョ(小さいPIB)〃という言葉が定着。GDPや雇用が伸びず、解雇者が新規採用より多い地域もある上、負債を抱えて思い切った買い物が出来ない消費者は多い。
22日付フォーリャ紙が「今年のクリスマスは人出は多いのに売上が伸びなかった年として思い出されるだろう」というのも、この辺の事情を汲んだ表現だ。サンパウロ市の3月25日街はこの週末も最後の買い物をする客で賑わったが、20日に同街へ行ったナラ・サンタナさん(39)は「払わなければならないものが沢山あるから、買い物は控えた」という。38歳のルシアノ・マルサルさんも「予算が厳しくてね。以前ならこの倍は買っていたよ」という。
全国のショッピングセンター866軒や13万軒のテナントが加盟するブラジルショッピング・テナント協会は、今年のクリスマス商戦は昨年の半分の2・5%の伸びで終ると予想。同協会のルイス・アウグスト・イルデフォンソ氏は「負債を抱えている消費者は景気の先行きが見えないとより不安になる」とし、「去年と同額を売り上げたら御の字だ」と言う。
今年はワールドカップ前にTVの安売りなどが行われ、11月のブラックフライデーも定着。電気電化製品を扱う小売店やテナントは、例年ならクリスマス後に行う安売りを前倒しするなどして売上確保に必死だ。
20日付エスタード紙によれば、ブラジル人がプレゼントしようと考えているものは服66%、スマホ(スマートフォン)16・4%、ノートパソコン4%、ビデオゲーム3・3%など。もらいたいものはスマホ18%、服15・8%、現金8・9%、旅行6・4%、本5・3%などだ。
コンピューターがなくてもインターネット接続できるスマホ希望者が多いのは北伯と北東伯(22%と23%)で、その他の地域では服を希望する人が多かった。現金希望者は負債の支払いにあてると見られている。現金希望者の増加は小売店の売上減少の一因となる可能性があるが、13カ月給の主な使い道も負債の返済や貯蓄のようだ。