労働者党(PT)のフェルナンド・ハダジ氏がサンパウロ市の市長に就いて2年。市議会議員が区役所内で持つ政治的権力が高まってきており、サンパウロ市内32区中、少なくとも28区が連立与党の議員が推薦した人を区長に迎えていると22日付フォーリャ紙が報じた。
連立与党のPT、ブラジル労働党(PTB)、ブラジル民主運動党(PMDB)に所属する区長は20人に上り、2015年には、これら連立与党3党が市内全ての区役所に割り当てられた13億レアルの予算の60%以上を管理することになる。PTの区長は13人でPTBは4人、PMDBは3人となっている。
他の政党からは、ブラジル共産党(PCdoB)、緑の党(PV)、社会民主党(PSD)からそれぞれ2人、ブラジル社会党、共和党からはそれぞれ1人ずつ区長が出ている。残りの四つの区では、どの政党の影響も認められなかった。
ハダジ市長は就任当初、専門知識を持つ公務員のみを区長にするとの意向を表明したが、その後のハダジ市長は、市議会議員らの推薦で区長を任命するようになった。ハダジ氏の任期が始まって以来、25の区長が交代しているが、今年交代した区長の中には、市の総合開発計画承認のための交渉過程で推薦された人物も含まれている。
サンパウロ市議会議員達は、各区の2015年予算の総額を保つため、市長が市全体で行う事業などのために各部門の予算を移転させる可能性に制限をつける計画も持っている。
このような条例をハダジ市長が裁可すれば、同市長はサンパウロ市各区の財源を他部門(保健・交通部門など)に移せなくなる。例外的にサンパウロ市長は予算総額の12%を再配分する権限を持つ見込みだ。
今日最大の予算を持っているセー区はナディア・カンペオン副市長が所属するPCdoBの管轄で、元下議のアルシデス・アマゾナス区長が7460万レアルの予算を取り仕切っている。