友好都市提携を結んで37年になる兵庫県西宮市とパラナ州ロンドリーナ市(以下、ロ市)が、経済的パートナーシップの確立に力をいれている。
今月9日、今西永兒・西宮市議と「西宮・ロンドリーナ友好の会」の青木靖彦会長、その会員ら計7人がロ市を訪れ、10日に市制80周年祭に参加後、翌日は同市商業産業協会(Acil)で企業家らと面会し、ブラジルの経済事情を見聞するとともに投資の可能性などを探った。
同市訪問団がロ市を訪れるのは、年内7回目という。調整役をになったのは、1980年年代にロ市にレストラン「サン・レモ」、サンパウロ市ニッケイパレス・ホテル内に「つばき」を経営するなど、日系社会とも縁が深い青木会長(76、兵庫)=西宮在住=だ。同会長は1977年に両市が友好都市提携を結んで以来、50回以上も訪伯している。
企業家らとの面談で青木会長は、「日本は小さい国だし、人口減少のせいで人材も減っている。中国や韓国などアジア諸国は成長性が低いので、日本企業には新しい市場が必要」と海外進出の必要性を強調した。
また、「進出の拠点は沿岸が好ましいが、もう沿岸地方は一杯。ロンドリーナは大きな投資の可能性を秘めており、進出にベストな地域。この地に新たな事業を立ち上げるためなら、どんな努力もいとわない」と同地への強い期待を表明した。
Acilのヴァウテル・オルシ会長は、これまで日伯間で何度も使節団の行き来があったものの、実りが少なかったことに触れ、「5月に新たな使節団が日本に向かうので、それまでに日本企業の進出を支援できる体勢を整えたい」と意気込んだ。
面談を企画したテッラ・ロッシャ・インヴェスチメントス社のアレシャンドレ・ファリーナ代表は、「すでに何社かは、農産物の輸出増やパートナーの締結など結果を出している」と喜んだ。
一行が到着した9日は、ロ市議会で歓迎レセプションが開かれ、今年3月に「第41回友好経済使節団」として訪日したアレシャンドレ・キレーフ市長やロニー・アウヴェス市議会議長、企業家や日系企業の代表者らも出席した。高橋マリオ、金城ロベルト両市議の推薦により、青木会長に感謝状が贈られた。