このところ立て続けに日本のテレビ局から、小紙の紙面を番組内で使用する許可を求める連絡があった。ブラジル人タレントを紹介するものであったり、ブラジルで意外な日本文化が流行っている話題であったり。軽いものではあるのだが、好ましく受け取っている▼いまだにそうだがブラジルというと、ラテンの明るいイメージの一方、ネガティブなものが相当多い。今年のブラジルW杯でも、メディアが危険であることを散々煽ったが、約8000人来伯した日本人サポーターで甚大な被害はなかったりする。まあ、そうした報道のお陰かも知れないが、イメージの一人歩きは10年以上住んで犯罪被害に遭ったことがないコラム子からすると、違和感を覚える▼そんななかで、若者向けの人気番組で日系社会ネタが扱われるのはなかなかに愉快だ。「日本語の新聞がブラジルにあるの?」と思う視聴者も少なからずいるような気がする。そうしたところから、「ブララジルってなんか色々あって面白そう」という雰囲気になればいい。一方、NHKが勝ち負けを扱ったドキュメンタリーを放映した。証言も多く、かなりシリアスな内容だった。敗戦70年を前に、新たな歴史を知った人も多いのでは▼来年は日伯外交樹立120周年。再来年はリオ五輪なので、メディアの露出も増え、この国のいろんな面が知られる機会になるだろう。来年着工、再来年に完成する予定のジャパンハウスは、ブラジル人に日本の正しい姿を伝える存在になってくれることだろう。これからの2年が、両国民の相互理解の大きな節目になることを祈りたい。(剛)