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大統領が新しい方法採用=経費削減ならぬ減量対策

 ジウマ大統領が新しいメジーダ(方法)を採用と聞けば、新経済政策かと思いたくなるのが政治通(?)。だが、今回採用されたのは、ブラジル国内では3カ所でしか採用されていないラヴェナ法という減量法だ。
 ラヴェナ法は2009年にブラジルに入ってきた減量法で、現在はサンパウロとブラジリア、サルバドールの3カ所のクリニックで指導を受ける事ができる。
 この方法の特徴は、医師と栄養士、心理学者、身体面のトレーナーが四つの側面から患者を観察、指導する事で、その人の状態にあった体脂肪の量を算定した上で、1日あたり800~900カロリーという特別なメニューを採用する。
 ジウマ大統領も、米やパン、砂糖は厳禁で、サツマイモなどもメニューからは除外される。就任式の祝いの席でどう対処するかは不明だが、アルコール類も禁止だ。
 普通の大人の食事は2000カロリー程度が目安だから、800~900カロリーというのは相当思い切った減量法で、女性は月間5~7%、男性は7~10%の減量が可能だという。
 一例を挙げると、朝食は脂肪分抜きのミルク100cc、卵1個とチーズを使ったオムレツ。昼食は野菜のスープ400cc、アルカショフレとトマトのサラダ、マスの切り身150グラムに椎茸と柑橘類添え、西洋梨のシナモン入りコンポート。午後のおやつはダイエットタイプのカプチーノと焼きバナナ半分。夕食はブロッコリーのクリームスープ400cc、緑野菜と玉ねぎに味付けしたフレッシュチーズ(リコッタ)のサラダ、ヒレ肉100グラムと焼いたズッキーニ、イチゴのシェイク150ccとなっている。
 ラヴェナ法では糖質の少ないものを使った食事といった栄養的な面だけではなく、食とどう向き合うかという精神的な面も大切にする。ブラジル国内の総責任者であるモエマ・ソアレス氏は「肥満を栄養だけの問題としてとらえると長続きしない」という。
 医学、栄養学、心理学に運動力学の各分野の専門家による最初の診断は約750レアルかかる。運動や理学療法グループでの疑問解消などの諸活動も含む月謝は1900レアル(3カ月まとめて払うと1月1500レアル)で、各クリニックには同法に基づくメニューを提供するレストランもあるという。
 ラヴェナ法の指導者は、急速に体重が減った事が励みとなればその後に続く「適応」や「維持」に移行しやすいはずだというが、急激な減量後は反動でより太る可能性もあり、大統領も減量と増加の波を繰り返すのではと懸念する声も出ている。(24日付フォーリャ紙より)