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グラッサ・フォステル総裁(Tomaz Silva/Agência Brasil)
グラッサ・フォステル総裁(Tomaz Silva/Agência Brasil)

ペトロブラス=年末まで訴訟や新事実=米国RI州州都が提訴=グラッサら上層部も被告に=不正企業の負債肩代わりも

 米国のロードアイランド州のプロヴィデンス市が24日、ペトロブラスに対して訴訟を起こした。また一方、同公社が、「ペトロロン」に関与した企業三つを含む四つの企業の負債を肩代わりしていた事実も発覚した。26日付伯字紙が報じている。

 プロヴィデンス市が24日にペトロブラスを相手に起こした訴訟は、他の投資家たちも訴訟を起こしたニューヨークの法廷で扱われる。同市は、「ペトロロン」によるペトロブラスの株価の暴落と、14年第3四半期の収支の発表の遅れで、投資で大きな損害を受けたとして訴えている。
 米国の投資家からペトロブラスへの訴訟は12月に入り既に3件存在しているが、プロヴィデンス市が他の訴訟と異なるのは、他のそれが米国預託証券(ADR)で受けた損害についての訴訟であるのに対し、同市の場合は、同市の投資プランの資金源とするために、ペトロブラスが国際市場で発行している固定金利の投資証券で発生した損害に対するものだ。
 さらに、他の訴訟がペトロブラスのみを訴訟相手にしているのに対し、プロヴィデンス市の場合は、ペトロブラスの経営陣や、国外で特別配当金を支払っているPBの子会社二つ、投資証券を発行している15の銀行も訴えている。経営陣としては、グラッサ・フォステル総裁やアウミール・バルバッサ財務部長をはじめとした上層部11人の名前が具体的に挙げられている。
 今回、プロヴィデンスが対象としているのは、2010年1月から14年11月に購入した証券で、この期間中に同社の証券を買った投資家も、訴訟に加わることができるとしている。
 また、26日付フォーリャ紙によると、ペトロブラスが四つの企業の負債を肩代わりしていたことが明らかとなった。それらの企業は、ガルヴォン・エンジェニャリア社のコンソーシオ「UFN3」、イエザ社のプロジェクトである「シャルケアダス」、メンデス・ジュニオール社のコンソーシオ「インテグラ」と、17隻の支援船建造を請け負うブラジル・サプライ社だ。ブラジル・サプライ社を除く3企業は「ペトロロン」に関与したとして告発され、上層部が逮捕されたため、ペトロブラスとの間の契約が打ち切られた。
 ペトロブラスは、建築会社や造船会社である大手企業に機械や部品などを納入していた供給会社が、これらの企業からの利益回収が不能となって倒産するといった事態を防ぐため、4企業が抱えている負債の肩代わりをすることにした。
 ペトロブラスがこのような肩代わりを行ったのは、同社と直接契約していない企業の資金繰りをより健全なものとするためで、UFN3の供給会社とブラジル・サプライ社の供給会社は先週、3億レアルと300万レアルを受け取った。UFN3はまだ供給会社に530万レアルの負債を抱えており、ペトロロンに関与した他の企業の負債の行方も注目されている。