ジウマ大統領(労働者党・PT)は1日、再就任の演説を行い、ペトロロンに代表される汚職の撲滅や、低成長の続く経済に関し、国民に犠牲を課さない形で基礎収支を守ることなど、第2期政権を始めるにあたっての抱負を語った。2日付伯字紙が報じている。
1日午後3時頃、ジウマ大統領は長女のパウラさんを伴い、オープンカーでブラジリア大聖堂まで向かい、待ち構えていた沿道の大観衆に笑顔で応えた。その後は議事堂での第2期政権の就任の宣誓と署名に続き、午後3時36分から、約45分にわたる所信表明演説を行った。
演説の序盤では、第1期政権を振り返り、ルーラ政権ではじまった貧困者対策で成果をあげてきたことを強調、「ルーラ政権以降で3600万人、私の第1期目だけでも2200万人の国民が極貧層から抜け出した」とし、「かくも多くの国民が中流階級に加わり、正式雇用を手にした時代はこれまでにない」と語った。
現在、ブラジルを揺るがしているペトロブラスの汚職問題「ペトロロン」については、「コルプソン(汚職)」という言葉を10回使用し、汚職撲滅を図ることを国民に誓うと共に、「内部の略奪者や外部の敵から、わが国最大の企業を守らなければならない」と強調した。
さらに、自身の大統領就任以来、国内総生産(GDP)の低成長が続く経済問題に関しては、一般に「経済三原則」と言われる「基礎収支の目標遵守」「為替の安定」「インフレ目標の達成」の三つを守ることを掲げた。基礎収支の目標達成に関しては、「(大幅な増税など)国民に犠牲を払わせない形で達成したい」とも語った。
ジウマ大統領は、2015年からは道路や港湾の整備などを含む経済活性化政策(PAC)の第3弾を実施することを公約した。また、2014年までに200万戸を引渡し、175万戸を建設中の「ミーニャ・ヴィーダ、ミーニャ・カーザ」で更に300万戸の住宅を供給することや、第1期の公約だが実行できなかった6千軒の保育園建設、連邦技術学校での200万人の定員枠拡大などの実施も約束した。
第2期政権のスローガンは「教育国ブラジル」で、第1期の「富める国、悲劇のない国」よりも、国民の生活の質の向上に意識を向けていることをアピールした。
その一方で、辛勝に終わった昨年の大統領選後に強調していた「野党側との対話」に関しては何も言及しなかった。
ジウマ第2期政権の閣僚は39人で、第1期発足時より民間航空庁長官と零細・小企業相が増えた分2人増加。連立政党の数も同じく、7党から史上最多の10党に増えた。中核をなすのは引き続きアロイージオ・メルカダンテ官房長官、ジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ法相で、新たに就任したジャック・ヴァギネル国防相、ミゲル・ロゼット大統領府総務長官、ペペ・ヴァルガス大統領府政局調整担当長官(いずれもPT)になると見られている。
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