サンパウロ市西部のジャルジンスで、ドトール・アルナウド大通りとパウリスタ大通りやレボウサス大通りをつなぐドトール・アルナウドトンネル一帯が新たな薬物常習者の溜まり場になっており、近隣住民は不安な生活を余儀なくされていると、6日付のアゴーラ紙が報じている。
同地では、5日午後も20人程の麻薬常習者が薬物を摂取しながら徘徊していた。近隣住民やトンネルを利用する車のドライバーはかつてから、常習者の出現や小屋を建てたりすることへの不満を募らせていたが、最近はトンネル内での盗みや強盗も発生していると苦言を呈す。
「路上生活者は以前もいたし、援助もしたりしていたけど、ここ1、2カ月、状況が変わり、お金を出さないと脅迫してくるようになった」と同地域に住むフルンジェルさん(39)は言う。
クリニカス病院に近いタクシー乗り場で働く運転手のソウザさん(61)は1カ月前、盗難の被害に遭った。「窓を開けていたのがまずかったね。奴らはすばしっこくて、見張りもつけてたんだ」と語る。
4年前から住む常習者のマリオさんは、「以前はセントロにいたけど、トンネルの中の方が安心だからね。信号で止まってる車にお恵みを頼んでるに過ぎない。誰かに迷惑かけてるかい?」と早口でまくし立てた。
サンパウロ市役所は、専門の監察官が同地域の常習者約30人を週に2回訪問しており、希望者には保健サービスも提供していると述べている。