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■訃報■らぷらた報知・主幹 高木一臣さん

83歳の頃の高木さん(亜国三重県人会提供)

83歳の頃の高木さん(亜国三重県人会提供)

 アルゼンチンの邦字紙「らぷらた報知」の主幹・編集長を務めていた高木一臣さんが昨年11月10日、肺炎のため亡くなった。享年89。
 1925年、三重県尾鷲市生まれ。拓殖大学ロシア語専攻を卒業後、52年アルゼンチンへ移住した。建築業に携わった後、商社勤務を経てアルゼンチン国営放送RAEの求人に応募し、アナウンサーに。日本向け番組を担当し、現地情報を日本へ届けるなどして活躍した。
 その後らぷらた報知に誘われ入社。ラジオと兼業で50年以上に渡りジャーナリズムの道を進んだ。俳優としても活躍、CM、テレビ番組、亜国映画「SAMURAI」などにも出演した。
 近年は高齢とあって頻繁に取材へ赴くことは少なく、社説「展望台」や翻訳記事を担当していた。亡くなる1カ月前まで元気な姿を見せていたが、10月ごろから体調を崩したため入院し、退院後再び体調が悪化したという。
 また、前編集長だった崎原朝一さんも、同月4日に心不全のため80歳でなくなっており、現在日本人編集部員は、30代の日本人女性だけだという。編集長後任は未定。
 同社の比嘉アントニオ社長は、「長い間邦字紙を支えてくれた。貢献に感謝したい。1週間でベテラン記者を立て続けに失った」と悲しさも口にしている。
 同社の板原勝さん(77、大阪)は、「アルゼンチン日系社会の中心人物。夜間学校でスペイン語を学び、大変に努力家でアナウンサーとしても魅力的な人物だった」と惜しんだ。
 1947年創刊の同紙は、火、木曜の週2回発行。全8ページで木曜のみ4ページがスペイン語に割かれる。発行部数は公称1千部。