フェルナンド・ハダジ市長(労働者党・PT)が2月以降、12年の市長選で同市長と争ったガブリエル・シャリッタ下議(民主運動党・PMDB)を教育局長に迎える意向であることが明らかとなった。これは2016年にハダジ市長が再選を狙うための対策とも見られる。9日付エスタード紙が報じている。
シャリッタ氏は、民主社会党(PSDB)在籍時代の03~07年に、30代の若さでジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事の下で教育局長をつとめていた。その後、11年にサンパウロ州選出下議となり、12年にサンパウロ市市長選にPMDBから出馬し、4位となった。その際は決選投票でハダジ氏を支援、ジョゼ・セーラ氏(PSDB)に勝利するのに貢献した。
その功績により、シャリッタ氏は13年にジウマ政権下で大臣職を得ると見られていた。だが、その頃、シャリッタ氏の元友人と称する人物が、シャリッタ氏がサンパウロ州教育局長だった時代に取引業者から賄賂を受け取っていたと主張し、州検察局が調査に乗り出したことで破談となっていた。
シャリッタ氏の名前はその後、あまり浮上しなくなっていたが、今回の教育局長就任の話は昨年、ルーラ前大統領がミシェル・テメル副大統領(PMDB)に持ちかけたと言われている。
これは16年のサンパウロ市市長選挙をにらんだものといえる。ルーラ氏としては、支持率が低迷しているハダジ市長再選の補強案として、知名度と実績のあるシャリッタ氏を副市長に据えて、選挙を乗り切りたい意向だ。シャリッタ氏がカトリック信者の間で強い支持基盤を持っているのも強みだ。
また、この合意にはPMDBからの他候補の出馬を牽制する意味合いもある。ひとつは、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)会長のパウロ・スカッフィ氏の存在だ。同氏は昨年のサンパウロ州知事選に立候補し、一次投票で敗れたとは言え、全体で2位になった人物だ。ルーラ氏としては同氏の立候補を避けたいところで、スカッフィ氏との関係があまり良くないテメル氏にとっても好都合だ。
さらに、元サンパウロ市市長で同職復帰への意欲を捨てていないマルタ・スプリシー氏(PT)への対策でもある。同氏はテメル氏と懇意のマルシオ・トレド氏の伝手でPMDBに移籍との噂もあるが、これも避けたい形だ。
PMDB陣営としても、サンパウロ市に党員の役職が増えることが期待できる意味でプラスとなる。
ハダジ市長とシャリッタ氏は一カ月前からこの件で話し合っており、シャリッタ氏の下院での任期が切れる2月1日にも就任が予想される。
この話はハダジ市長にも都合が良い。同市長は現職のセーザル・カレガリ氏(社会民主党・PSD)の仕事に関し、保育園の建設の遅れなどに不満を覚えている。ハダジ市長は7日、教育局長交替と、マルコ・アウレリオ・クーニャ市議の観光局長もしくは市保安局長への就任についてPSD党首のジルベルト・カサビ前市長と話し合った。
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