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第12回 ジャパンブランドを高める1年に!

 新年あけましておめでとうございます。今年も本コラムをよろしくお願いいたします。ブラジルも日本も時を同じくして内閣が改造され、特にブラジルはガラッとメンバーが変わった。日本では自民党内で多少メンバーが変わってもあまり政策は変わらないがブラジルの場合は、180度変わることも珍しくない。今年は政府の動きから目が離せない。
 さて、年末年始でカンボジアの観光都市シェムリアップに行ってきた。アンコールワットをはじめとした多くの世界遺産のある都市で、昔はタイに支配をされていたそうだが、戦争の末タイ(シャム)を追い出した(リアップ)ことを記念してこの都市名に変更された。
 街は雑然としているが活気があり、30年前のタイ、15年前のベトナムといった感じ。日本車は人気で、なかでも7割ぐらいがトヨタ車で、しかもレクサスが観光案内用に大量に走っていた。 しかし、昔のタイやベトナムと違うのは多くの家電ショップの看板がサムソン、LG、HUAWEIであることだ。携帯も一番みんなが欲しいのはアップルだが高いので、しょうがなくサムスンやノキアを使っているそうで、日本の携帯はあまり見かけなかった。
 白物家電もAKIRAというブランドが有名とのことだったので、日本製?と聞いたら「イエス」と返事があったが、どうやらシンガポールの会社らしい。
 ガイドから聞いた話であるが、観光客数のベスト5は、1位が韓国、2位が中国で、両国からはチャーター便が飛んでいるらしい。日本は5位とのことで、先ほどの看板が象徴するように、ビジネスの勢いがそのまま観光にも反映しているように思う。
 チケットもきちんとした販売所があり、数カ所の遺跡をまとめてであるが、1日20米ドルとかなりいい金額を取っている。また、遺跡を巡る道路やお土産売り場なども整備をされている。私は世界遺産なので、当然カンボジア政府か地元の都市が運営をしているものかと思ったらどうやら事情が違う。何と今の政府要人と親しいタイ財閥が経営をして、道路もつくり、土産物屋も整備しているらしい。
 そして、利益の7割が“シェムレアップ(タイに逃げている)”しているということだ。確かに、現在のカンボジアは多くの事業が外資の誘致で行われており、その裏では良くも悪くも政官と癒着のある段階と言えそうだ。
 翻ってブラジルも現在ペトロロン問題が巷をにぎわしている。企業と政府の癒着、贈収賄はどこの国にもあるものとはいえ、あまりに規模が大きい。今回は日本企業の合弁会社も渦中にあり、新興国を攻める際にどうしても避けて通れない課題とも言える。
 新興国においては理想的には圧倒的なブランドやオンリーワンの技術を築くことができれば、毅然と立ち向かえるところだが、今のブラジルにおいて一企業で行うには限界もある。
 今年はちょうど日本とブラジルの外交樹立120周年で様々なイベントが予定されている。また、ジャパンハウス構想もあり、ぜひ今年は官民一体となって、親日的で、日本のソフト・技術に関心の高いブラジルでジャパンブランドを高めて、企業がそれに乗れるように出来ればと思う。