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妻救おうと車で体当たり=元の恋人と民家の主婦死亡

 連邦直轄区サンタマリアで12日未明、妻からの電話を受けた男性が車で駆けつけ、バイクに乗った男性を撥ねた後、民家に突っ込み、バイクの男性とその家の主婦を即死させるという事件が起きた。
 警察によると、バイクに乗っていた男性は30歳で、車を運転していた男性の妻の元恋人だという。車を運転していた男性は元恋人を撥ねるつもりだったが、勢いあまって民家に突っ込み、就寝中だった61歳の主婦も道連れにしてしまったという。
 近隣の住民によると、事故を起こした車は午前3時頃、ブレーキもかけずに走ってきたといい、大きな物音がしたのは警察に追われた車が事故でも起こしたのだと思い、あえて家の中にこもっていたという人もいた。
 事故を起こした男性は51歳で、自分から警察に出頭した上、「人を撥ねた」と供述した。呼気中のアルコール検査は陰性で、午前9時頃に警察車両に押し込まれる際、報道陣に「ロンバーダを通った後、ハンドル操作を誤った」と釈明。弁護士も「この男性と被害者男性やその男性が恋人だという女性との間には個人的な関係はなく、単なる事故だ」としている。
 事故が起きたのは午前3時頃、門と壁をぶち破り、完全に家の中に乗り入れた形で止まっていた車は、朝7時半頃、交通局のレッカー車が運び出した。被害者2人の遺体は朝8時半頃、法医学研究所の職員の手で運び出されたという。
 亡くなった主婦は6カ月前に引っ越してきており、85歳の母親と2人の息子と共に暮らしていた。85歳の母親は親戚の家に引き取られたが、親戚の一人は、「寝ているところに車が飛び込んで即死だった。苦しまなかっただけ幸いかも知れない」と語った。
 亡くなった男性の妹のパオラ・クリスチーナさんは、「兄は元彼なんかではなく、今も付き合っていた。兄を撥ねた男が恋人とどんな関係だったは何も知らない」「兄は未明に彼女から話したい事があると電話を受けて出かけた。兄が彼女のところへ行く途中に撥ねられたのか、帰りに撥ねられたのかもわからない」と証言。兄が付き合っていたという女性は事件の後かけた電話に出たが、「何でこんな事をしたのかと聞いたら、何もいわずに電話を切った」という。
 12日朝のニュースによると、亡くなった男性が彼女と論争になったため、女性が今の夫(恋人との説も)に電話。元の彼氏は彼女の家を出ていたが車で追っかけて撥ねた際、運転を誤って民家に突っ込んだと報じた。(12日付G1サイトより)