【既報関連】2014年の拡大消費者物価指数(IPCA)が9日に発表された。2014年の公式インフレ率は年6・41%となり、懸念されていたインフレ目標の上限(6・50%)突破はなんとか回避したものの、15年の年頭は引き続き上限超えが心配されていると10日付伯字紙が報じている。
14年の年間累積インフレは、11月までの12カ月間の累積が6・56%となるなど、年間で5回、直近12カ月の累積が上限を超えたが、12月のIPCAが0・78%と市場予想(0・79%)以下で収まった事で、最終的には6・41%で14年を終えた。
これでブラジルのインフレは、2005年以来、10年連続で目標の上限以内を維持できたことになる。だが、本来のインフレ目標の4・50%は2009年以来守れておらず、6・41%という数字自体も、ジウマ大統領就任1年目に記録した上限いっぱいの6・50%につぐ高い数字となった。前年比では0・50%ポイント上がった計算にもなる。
IPCAの調査対象となった13地区のうち、6地区は上限を超えており、最高だったリオでは7・6%を記録した。これは14年はW杯が開催されたことで、観光都市での需要が上がり、それが家賃や宿泊費、外食費などの値上りにつながったとの見方もある。
14年のインフレ圧力となったのは食費8・03%、居住費8・80%、人件費8・31%などだ。食品では肉類の22・21%を筆頭に、外食や軽食、フランス・パンなども9%台を記録した。また、食品以外の項目別ではエネルギーの17・06%をはじめ、家庭内労働者の10・54%、保健プランの9・44%、家賃の9・35%、学費の8・87%などが目立つ。居住費は一昨年の3・40%から8・80%に急騰した。
地理統計院(IBGE)コーディネーターのエウリナ・ヌーネス・ドス・サントス氏によると、14年は全国的な旱魃の影響で、農作物や電気料金が上がらざるを得なくなったという。電気料金は、2012年に値下げした結果生じた負債分も調整されている。
その一方、交通(3・75%)、衣類(3・63%)、デフレとなった通信(マイナス1・52%)はインフレを下げることに貢献した。
RCコンスルトーレスのエコノミスト、チアゴ・ビスクーラ氏によると、1月のインフレ圧力は既に強くなっており、1月のIPCAは1・22%となり、累積年間インフレも7・11%にまで達すると見ている。その理由は、電気代や水道料金が上がり、サンパウロ市のバスや地下鉄料金など、都市部で交通費の値上げが行われるためだ。
ジョアキン・レヴィ財務相は9日、15年はじめのIPCAに関して、教育部門や運輸部門での値上りでインフレ圧力が強まるとの見解を示している。同相は、物価高騰を抑えるためにも、公的支出を抑える努力が不可欠だとも語っている。